したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

インド・天竺・中洋スレ

86とはずがたり:2015/01/27(火) 13:46:44

アメリカと中国の関係の変遷

 アメリカと中国との関係はどうなっていくでしょう。これまでの20年の間いろいろなアプローチがとられていました。90年代のクリントン時代には、中国の対米貿易黒字や中国が米国債を多く所有していることを危険視して、中国に対する封じ込めを行おうとしていました。冷戦時代の旧ソ連、旧COMECON(旧ソ連の主導のもとで東ヨーロッパ諸国に形成された共産主義諸国の経済協力機構)に対しては機能した封じ込めですが、グローバルな経済と金融制度に完全に統合されている中国の現状を考えると、21世紀の現在において中国を封じ込めようとするのはもはや冗談にしか聞こえません。だからこそ、アメリカもそうした考え方を改めようとしています。

 ただ色々な理論を打ち立て、なんとかそれを可能にしようとする動きはあります。2000年代のジョージ・W・ブッシュ時代には中国に対してヘッジをかけるだけではなく、責任あるステークホルダーになってもらい、国際社会に組み込もうとするアプローチがありました。こうしてつなぎ止めようという動きに対し、中国は戦略的なアンビバレンスをもって対抗してきました。こうしたことから、中国とアメリカは非常に複雑な関係にあります。
 そして、2011年11月以降、オバマ政権は「アジアに回帰する」と宣言し、いわゆる「アジア・ピボット理論」を打ち出します。ただどうもこのアジア・ピボットというのには、戦略的・戦術的な要素があるように思います。…

そして、インドと日本の関係

 世界における日本の経済的シェアは下降していますが、それでもいまだ軍事面や経済面において、大きなプレイヤーであるということは間違いありません。インドとは現在、約190億ドル規模の貿易が行われており、250億ドル規模に押し上げようという計画があるようです。中国とインドとの貿易が1,000億ドルを越えていることに比べれば、まだまだ小さい規模ですが、250億ドルが実現すれば、それは大変に素晴らしいことです。日本の対インド投資も120〜140億ドルにのぼっており、日本は強いコミットメントをもってインドのインフラ部門に参入してきています。日本は賢く分野を選定してインドの市場に入ってきました。そしてインドの経済発展を支えてくれたのです。日本がインフラ整備を行ったからこそ、インドはより広いアジア地域への組み込みが進んだわけです。こうしたことからインドの一般的な市民の中に日本に対する善意が醸成され、インドに対して重要な役割を果たしている国だといえると思います。

 一方、日本はアメリカとの軍事同盟であるという事実があり、その同盟関係を更に深化させていこうという姿勢も見られます。この日米同盟はインドにプラスとマイナスをもたらしています。プラスの面とは、日米の共同軍事訓練や演習が可能であり、様々な共同プロジェクトを実施できることでしょう。色々なイニシアティブで相互運用性があることで、ひとつの安心感をもたらすということができます。マイナスの側面というのは、あまりに密接な軍事同盟関係は中国に対するひとつのシグナルになるということです。インドもこの点については注意を払わなくてはなりません。

 また、日本は中国との関係においてもインドにプラスとマイナスをもたらしていると思います。経済的な面において、貿易相手国であり互いに投資を行う国同士というのは紛争や戦争をしないという理論もありますが、中国と日本や中国をはじめとするさまざまな貿易相手国との関係を見ていると、経済交流が多岐にわたって高いレベルで行われているにも関わらず、やはり緊張関係にあるということがいえるのです。また、中国側からの圧力があった場合、日本と価値観を同じくする他国と関係を構築することで対抗措置をとります。その対象国がインドです。日本が経済的な面だけではなく政治的にもインドと接近しているのは、アメリカのアジアにおける長期的な展望や、内状不安をかかえる中国の台頭が要因として分析されます。ただし、インドと日本が関係を緊密にすることは、中国を封じ込めるためだという理解がされてしまうと、そこにはマイナス影響しかありません。

インド、中国、アメリカの「トロイカ体制」

 インド、中国、アメリカのトロイカ体制(三者関係)においては、誰が中心に立つのかということが重要になってきます。インドの視点から見ると、アメリカと中国とのコミュニケーションや貿易関係は、印米間のそれに比べて規模が大きいものでもありますし、重要性も違います。政治的なレベルで考えると、アメリカと中国は現在、快適な関係を享受していますが、その背景には複雑性に増した構図がみられ、なんとかバランスを取っているのだということができます。インドにとって重要なのは、我々がこの三カ国関係の中心に立つべきであり、そうしようとする姿勢が大切なのだということです。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板