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インド・天竺・中洋スレ

852OS5:2025/04/04(金) 16:48:34

選管の権威は絶対
驚いたのは、途上国にありがちな「選挙が不正に行われた」という異議や開票後の騒乱がほとんどなかったことです。選挙管理委員会への信頼が高く、その権威は絶対でした。

当時、首都でさえ、戸籍や住民票が存在しなかった。道端で寝ている家族が多数いました。選挙に必要な有権者登録はどうするのか。そして、公正な選挙をどう実現しているのか。インドは、独特の知恵を持っていました。 

選挙期間が始まると、多数の政党は街や村に繰り出します。選挙運動とともに重要なのは、投票者を集めること。自分の党の候補者に投票する人を訪ね、名前を聞いて、一覧表にまとめる。居住者はもちろん、道端に寝ている人にも声を掛け、出来上がった一覧表を選管に提出します。選管はこれらの各政党からの一覧表を集約すれば、選挙人名簿が作れるわけです。 

各政党、バスで有権者を運ぶ
《いよいよ投票日。各政党はバスを仕立て、自分の党に投票してくれるはずの人々を投票所に運ぶことまでしたという》 

選管は選挙人名簿にその人の名前があるかを見て、あれば投票用紙を渡します。投票用紙には、政党のシンボルマークと候補者の名前が並び、そこにチェックを入れれば投票は完了。文字を知らなくても投票できます。

ただ、それでは複数の政党の一覧表に違った名前で登録しておけば、1人で何回も投票できるじゃないか、との疑問がわきます。 

1週間消えぬ紫のインク
それを防ぐために知恵があります。投票すると、指の爪に紫色のインクが塗られる。このインクは私も試しに塗ってもらったところ、1週間ぐらい消えませんでした。指にインクが塗られていれば、もう投票は認められない。こうして、二重投票を防いでいたわけです。投票日が終わるころには、皆が爪にインクを付けて歩いている。 

それぞれの国に、それぞれの流儀があり制度がある。それらには由来や背景があり、私たちの常識だけで価値判断をしてはいけない。インドはインドの知恵で生きているようでした。(聞き手 黒沢潤)


〈おかむら・よしふみ〉 1958年、大阪市生まれ。東大法学部卒。81年、外務省入省。軍備管理軍縮課長、ウィーン国際機関日本政府代表部公使などを経て、2008年にコートジボワール大使。12年に外務省アフリカ部長、14年に国連日本政府代表部次席大使、17年にTICAD(アフリカ開発会議)担当大使。19年に経済協力開発機構(OECD)代表部大使。24年から立命館アジア太平洋大学副学長を務める。


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