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インド・天竺・中洋スレ

85とはずがたり:2015/01/27(火) 13:46:25

アジアにおけるインドの対外政策―印中米の三国関係と日本
http://www.wochikochi.jp/relayessay/2013/05/india-in-asia.php
シダールタ・ヴァラダラージャン
「ザ・ヒンドゥー」紙編集長

政治学者イアン・ブレマーに「Gゼロ」後の世界と名付けられ、主導国が存在しない、新しい時代に突入した現在では、アジアの重要性がますます増しています。国際交流基金は、国際文化会館との共催により、日本とインドの間の継続的な対話の「場」を創出するため新たな人物招聘事業として「日印対話プログラム」を立ち上げました。その初回の招聘フェローとして、インドで最も権威ある英字新聞のひとつ、ザ・ヒンドゥー紙のシダールタ・ヴァラダラージャン編集長を日本にお招きし、インドのアジア地域における外交と戦略政策、そして中国とアメリカとの関係のなかで、日本の果たすべき役割を論じていただきました。
(2013年3月28日国際文化会館 岩崎小彌太記念ホールでの講演を収録)

…インドとアメリカとの関係はこの10年で非常に改善しています。アメリカが決断を下し、核兵器に対する取引をしたことでインドに対する制裁措置も解除され、核におけるインドの孤立が終わりました。ただ、ここにはアメリカ側の計算や打算があります。この取引によって犠牲になったのが、インドと中国との関係だったのかもしれません。なぜなら1998年の核実験以降、それ以前に比して、印中関係は非常に改善し、善意に基づいた外交を行ってきていましたから。

つまり、アメリカがインドとパートナーシップを構築するということには、インドに「中国に対するヘッジ」という役割を期待するという考え方もあります。もしアメリカ側の事情によってある日突然、中国とアメリカとの関係を強化しなければならないということになると、犠牲になるのはインドなのです。これがまさにオバマ政権1年目に見られた現象だと思います。

 世界が通貨危機を経験した際、中国は重要な役割を担いました。そうした環境下において、アメリカは中国となんとか協力してやっていくべく、2つの超大国、つまりG2としてアメリカと中国の対話の場を設けようという提案までしました。日本にもインドにも幸いなことに、中国はこれには関心を示しませんでした。というのもG2というのは常に中国が2番目の立場ということなのです。中国がその地位に甘んじるわけがありません。そのため、アメリカと中国の関係が変わるということはあまりありませんでした。そして2010年以降、インドとアメリカは関係の再構築を模索しています。ここでインドが得た教訓は、ひとつの国と関係を構築することを、他の国に対するヘッジとするということでは、必ずしも上手くいかないということです。

インドと中国の戦略的関係
 中国はインドの最大の貿易相手国です。一時期緊張関係にあったインドと中国間の国境問題も近い未来に解決することができると思います。しかし、そうした良好な関係が構築されたとしても、インドと中国の間には摩擦要因が残ります。例えば、中国はインドの核政策について反対の意向を示しています。また、パキスタンと中国との関係の問題もあります。このような地政学的な問題のほか、中国の国内統治における不安要素、チベット問題など、インドとしては軽視できない問題があります。

 しかしながら、こうした印中関係を、線グラフで表してみると、その軌道は右肩上がりです。貿易、投資、ハイレベルでの政治訪問、観光、軍同士の議論や交流において、印中間の関係改善は目に見えて上向きを示しています。短期的にはグラフが落ち込み、関係が悪化しているように見えることもあるのですが、長期的視点に立てば上り調子だと言える、それがインドと中国の関係です。
 ただ、インドはアメリカや日本と、中国国内の政治の不安定さに対する懸念を共通課題としていますが、印中関係については、両国が力を持ち寄り、なんとか回復を試みているのです。


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