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インド・天竺・中洋スレ

84とはずがたり:2015/01/27(火) 08:49:30
>>83-84
3.ロシアとインドとの関係に傷?
 だが、ヘーゲル国防長官が日米印「同盟」を提案したのは、中国だけが理由ではないかもしれない。実は、最近インドとロシアの関係が微妙なのだ。
 インドとロシアの関係は冷戦時代にさかのぼる。中ソ対立が深まり、米中がパキスタンを介して接近する中で、インドとロシアの関係は良くなっていった。現在ではインドの武器の約7割が旧ソ連製ないしロシア製である。
だからインドとロシアの関係はとても良好だ。ロシアがクリミアを併合した時も、インドの国家全保障顧問がロシア寄りの発言をしている。もうすぐアフガニスタンからアメリカ軍が撤退する。その後のアフガニスタン対策でも、インドとロシアは協力している。もしアフガニスタンでタリバンが台頭したら、両国とも困るからだ。

しかし、最近インドはロシアに懸念も表明するようになった。大きく分けて三つの懸念がある。一つ目は、ロシアがパキスタンへ攻撃ヘリコプターを販売しようとしていることだ。ロシアは、タリバン対策に役立つと考えている。インドから見ると、その武器はインドに対しても使われるかもしれない。
 二つ目は、ロシアが中国との関係を強化していることだ。ロシアが中国にいい武器を売れば、それはインドに対して使われるかもしれない。
 そして、第三はロシアの最近のウクライナにおける行動だ。欧米がロシアに対して制裁を強めつつある。もしロシアがウクライナでより大規模な軍事行動に出た場合は、制裁はより強まるだろう。ロシアから多くの武器を買っているインドは、影響を受ける可能性が高い。インドはロシアの行動に口は出さないが、ほどほどにしておいてほしいのだ。
 これらの事態をアメリカからみるとどうなるだろう。インドとロシアの強固な関係に隙間がみえる。今が、チャンスかもしれない。アメリカは積極的に動き始めている。

4.日印関係にはよい風が吹いている
 つまりインドに新政権が誕生し、その政権は中国を警戒しており、ロシアとも少し距離を置き始めているから、アメリカにとってインドに外交攻勢をかけるチャンスが巡ってきた、という論理になる。これはアメリカだけに言えることだろうか。いや、日本にもチャンスが巡ってきたといえよう。
 日本は今、中国の海洋進出に対応する必要性に迫られている。その中で、インドは要になる国だ。インドのモディ政権の中国に対する警戒心は、日本と共有できるものである。同時に、日本はロシアとの問題で悩んでいる。日本はロシアとの関係を改善したいが、ロシアのウクライナでの行動に悩んでいる。インドほど深刻ではないにせよ、懸念は共有できる。
 だとすれば、米国防長官のように、日本も積極的に動くことができる。現在輸出しようと交渉している救難飛行艇だけでなく、潜水艦やミサイル防衛についても、積極的な提案ができるかもしれない。救難飛行艇も、潜水艦も、ミサイル防衛も、日本以外の他の国が提供できない技術があり、日本にとって有利だ。日本が戦略上の要衝アンダマン・ニコバル諸島の空港建設にも協力するとの報道も出ている(注2)。マラッカ海峡からインド洋における海洋安全保障の観点から、とてもいい提案である。日本もインドも、ベトナムに対する軍事・治安支援に積極的だから、日印でベトナム支援を調整することもできよう。その際は、日印越の三国の戦略対話の枠組みが必要になろう。こうした武器取引やインフラ建設、対外支援を進めやすくするための手続きなどを定めた協定の締結なども念頭に置いて、交渉を開始したらいいかもしれない。
今、インドをめぐる情勢は急速に動き始めている。今月のモディ首相の来日は、注目すべきものになろう。


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