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インド・天竺・中洋スレ
779
:
OS5
:2024/03/01(金) 11:38:13
絶たれなかったカーンの政治生命
議会下院の選挙前にはパキスタンの次の首相はナワズ・シャリフだと思われていた。彼は汚職事件で有罪判決を受け、ロンドンで4年の事実上の亡命生活を送っていたが、昨年10月に帰国した。そして、1月8日、最高裁は汚職事件を巡って公職資格を剥奪した2018年の最高裁の判断を取り消し、政治への復権を認めた。
シャリフが4度目の首相に復帰するためのお膳立てが整いつつあるように見えた。彼には軍の支持が保証されていた。他方で、軍が敵視するイムラン・カーンは牢獄につながれ、彼の党PTIは軍の圧力で空洞化を余儀なくされ事実上解体されていた。
しかし、シャリフと彼の党PMLNの勝利は確実という予測は見事に外れることとなった。稀に見る軍に対する打撃というべきであろう。
22年4月に首相の座を追われて以来、カーンは早期の総選挙を要求し、もって政権に復帰することを狙い、大衆を動員し街頭に出て政権と軍に圧力をかける行動を継続して来た。その過程で抗議デモが暴徒化して、遂には軍に彼と彼の党PTIを弾圧する口実を提供したかのように思われた。
しかし、カーンの政治生命は断たれたわけではなかった。PTIの支持者達は無所属として選挙戦を戦った。種々の選挙干渉にかかわらず、彼等は軍を後ろ楯とする既成政党(PMLNとPPP)の政治に対する不信を突き付けることとなった。
選挙結果の数字は、パキスタンの新聞DAWNが報ずるところによれば、下院の小選挙区制で選ばれる266議席(残り60議席は女性留保議席、10議席は非ムスリム留保議席)のうち、PTI系の無所属:93、PMLN:75、 PPP(パキスタン人民党):54である。しかし、ナワズ・シャリフは勝利を宣言し、PTIを排除した連立政権の樹立に迅速に動いた。
2月13日、PMLNとPPPは他の小数政党を加えた6党による連立政権の合意を発表した。首相にはシャバズ・シャリフ(イムラン・カーンの失脚の後、2023年まで首相を務めた)を擁立する。なぜナワズ・シャリフでなく彼の弟なのかは明らかでないが、恐らく、選挙結果と軍との相性に関係があろう。
それでも、カーンが救世主ではない理由
いずれにせよ、この連立政権はその正統性を問われざるを得まい。カーンは獄中から支持者に対し、選挙の不正な操作で失われた議席を裁判に訴えて取り返すよう指示している。
パキスタンが最も必要とするのは国内の平静と安定性であるが、それは望むべくもない。パキスタンは4月以降に新たなIMFの支援を必要としているようであるが、そのためには国民に痛みを強いる改革が必要となる。しかし、議会に100人近いPTI系の反対勢力を抱えて、統治は困難の度を増すであろう。
とはいえ、カーンが首相に返り咲くことはパキスタンにとって更に大きな惨事に違いない。救世主として振舞う彼の扇動的なポピュリズムは有害である。パキスタンが必要とするのはカリスマではなく、新鮮で冷徹なリーダーシップであろうが、それが期待出来る状況とも思われない。
岡崎研究所
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