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インド・天竺・中洋スレ

335とはずがたり:2017/08/03(木) 11:56:00
>>333-334
 なぜそこまで大きくしたがるのか。「便槽が小さいと5カ月であふれる」とマディヤ・プラデーシュ州南西部、カルゴーン県の村の自宅にトイレを設置したジャグディシュは説明するが、もちろん誤りだ。さらに彼は、満杯になったら身分の低いダリットを呼んでくみ出しをさせないといけないと言う。

「自分でやらないんですか?」。スリバスタブの問いに、ジャグディシュは首を振った。「周りの反発を買う。そんなことをしたら村八分に遭ってしまうよ」

 この発言は、インドの衛生状態をめぐる謎を解く手がかりとなる。開発途上国のなかでも経済が発展し、識字率が高く、水が十分手に入る国なのに、なぜ屋外排泄率が高いのか。これをRICEは、農村地域に根強く残る、衛生や不浄に対する観念とカースト意識が深く関わっているとみている。

 ダリットは不可触民とも呼ばれ、何千年も前から上位カーストと同じ井戸の水を飲んだり、同じ寺院に礼拝したりできず、彼らの前で靴を履くことさえ禁じられてきた。現在、こうした差別を禁じる法律はあるが、実効性はないに等しい。貧困と暴力に苦しむダリットは、生きるために汚れ仕事を引き受けざるをえない。上位カーストのインド人たちは、そうした仕事を遠ざけることで、身分の優位性を保ってきた面もある。

 しかし最近では、ダリットは差別の正当化に使われてきた仕事を拒否し、対等な立場を獲得しようとしている。そのため、汚物のくみ取りは引き受け手が減り、料金が高騰してきた。費用がかさんでも、トイレの便槽をなるべく大きくしておこうという動きは、こうした先行きの不透明さを受けた結果だ。簡素なトイレなら造れる者も、大きな便槽を掘る金がないという理由で屋外排泄を続けてしまう。

※ ナショナル ジオグラフィック8月号特集「きれいなトイレが世界を変える」では、世界のトイレ事情から衛生的な暮らしを実現する方法を考えます。

Elizabeth Royte/National Geographic


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