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インド・天竺・中洋スレ

321とはずがたり:2017/06/29(木) 10:03:43
>>320-321
 中国の李克強首相は16年11月、キルギスのビシケクで開いたSCO首脳理事会で、「域内貿易・投資の拡大と円滑化」「SCO自由貿易圏の創設」「地域金融機関の活用」など、域内経済協力の加速に向けた6項目の提案を行った。今後、SCOは電力網や道路など域内インフラの共同開発も進みそうだ。莫大なインフラ資金需要がある拡大SCOは、アジア開発銀行(ADB)や世界銀行などにも大きな交渉力を持つことになる。

 500億ドル超のインフラ投資を見込む中国主導の巨大インフラ整備プロジェクト、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)の最大の受益国となるパキスタンは、当然SCOを支持している。だが、一方でしたたかな思惑も持ち合わせている。

 中国の資金で開発したパキスタン南部・グワダル港にはコンテナターミナルが完成し、発電所や港湾道路の建設も進む。同港は中国陸部から海への出口として期待されている。ただ、パキスタンの有力政治家は「グワダル港は何も中国のためだけにあるのではない。中央アジアの企業にも活用してもらいたい」と本音を語る。

 パキスタンから見れば、SAARCはインドの影響下にある国際機関にすぎない。インド国内への越境テロや、インド側の報復攻撃などで印パ関係は再び悪化した。16年11月にイスラマバードで予定したSAARC首脳会議も、主にインドの意向で延期となった。

 16年秋に訪米したパキスタン与党所属のムシャヒード・フサイン・サイード上院議員は記者団に、「中国やイラン、中央アジアも含めた拡大南アジアはすでに現実のものとなりつつある」と述べ、南アジア地域におけるインドの強い影響力を抑止しようという意図を隠さなかった。

■多国間の枠組みで「印パ和平」仲介も

 南アジアは、世界銀行の報告書で「世界の成長の中心地」との評価を受ける。17年も7%前後の成長が確実視される。ここに自国の余剰生産力を輸出・投資したい中国にとって、印パの対立解消による南アジアの安定化は一帯一路(OBOR)の推進など国益に合致する。

 中国現代国際関係研究所(CICIR)の李偉・反テロ研究センター主任は6月上旬、中国政府系の環球時報に対して「SCOは加盟国間の紛争に理想的な枠組みを提供できる」と述べ、SCOが印パ紛争を仲介する可能性を指摘した。これは中国側の本音とみていいだろう。

 しかし、SCOが新たに印パという核保有大国を迎え入れることには不安もある。ウズベキスタンやキルギスなど中央アジアの「小国」には、メンバーのバランスが崩れることへの懸念もあった。16年6月にタシケントで開いた前回のSCO首脳会議で議長を務めたウズベキスタンのカリモフ大統領は、印パの同時加盟について「協議は難航したが、我々はあらゆる意見対立を何とか乗り越えた」と認める。

 インドは、パキスタンと70年近くにわたって領有権を争うカシミールを「二カ国間の問題」としている。パキスタンはともかく、インドが多国間の仲介を受け入れる可能性はきわめて低い。SCO加盟国にも異論が出るのは必至だ。ユーラシアの大半をカバーする世界最大の地域協力フォーラムとなった拡大SCOは、なお様々な課題と思惑をはらんでいる。


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