欧州情勢・西洋事情 - 1401097607

4856：OS５：2025/05/07(水) 22:20:04: 有力候補はどんな人たち？
マッテオ・マリア・ズッピ枢機卿（イタリア）
ズッピ枢機卿
ズッピ枢機卿
イタリア人でフランシスコ教皇に非常に近いとされている方です。この方は実はフランシスコ教皇ご存命の時に、ウクライナ情勢をめぐってモスクワに派遣されました。

一時期、ローマ教皇がちょっとロシアをひいきしているような発言があったんですが、どういうことかというと、バチカンという存在は中立で、中立でないと和平の調停ができないんです。

仮にウクライナひいきだとロシアが口をきいてくれない。ですのでこのズッピさんはむしろロシアにけっこうアプローチができる人。

人によっては、彼はロシア寄りだからよくないんじゃないかという見方もあるんですが、私の見方はむしろ逆で、中立的な立場を維持できる、実際にモスクワに行ってプーチン氏と対話もしていたので、ロシアとウクライナの間で、ロシアと話ができる人だと思います。

第1次世界大戦の時代からバチカンが維持してきた国際的な中立、戦争があるときは中立でいるという、まさにそういう役割をズッピさんが担ったということもあって、注目度は非常に高いです。

ルイス・アントニオ・タグレ枢機卿（フィリピン）
タグレ枢機卿
非ヨーロッパということでよく名前が出てくるのが、フィリピンのタグレ枢機卿です。

どちらかと言えばフランシスコ教皇寄りですが、けっこう中道にも顔が効くというか、バチカン内でも非常に重要な役職を歴任して尊敬を集めている方で、バチカンの権威を守るという意味でも、非常にふさわしい人物です。

とても気さくな方で、最近はジョン・レノンのイマジンを歌うなど、信者に寄り添うローマ教皇になりうると思います。

フィリピンというのは国の80％以上がカトリック信者で、ここイタリアでもフィリピン人でお掃除などで働いてらっしゃる方たちがいますし、中東の湾岸の国で働いている方もいらっしゃるし、世界中にフィリピンの方がいて、タグレさんはそういう人たちからものすごく熱い支持を得ています。

ピーター・タークソン枢機卿（ガーナ）
タークソン枢機卿
アフリカ系で言うと、中道のタークソン枢機卿。保守派と改革派のバランスをとるということもけっこう聞かれる意見で、フランシスコ教皇はすばらしかったけれど、改革を進めすぎるとついていけない人たちが出てくるとなった場合に、そのバランスがとれる中道の人が求められていると。

改革路線だけだと保守派からの反発もありますが、タークソン枢機卿だとそれも抑えられるということ、しかも非ヨーロッパ世界ということで、いま信者が最も増えてるアフリカという意味で非常に注目されています。

ピーター・エルド枢機卿（ハンガリー）
エルド枢機卿
ヨーロッパ勢の保守派だとエルド枢機卿。ハンガリーのオルバン首相に非常に近いとも言われています。

以前ヨハネ・パウロ2世がポーランド出身でローマ教皇になったということもあり、いわゆる東欧地域の方がフランスやイタリアよりも、伝統的なカトリックの価値観を守っているというふうに認識されているという意味で、名前が挙がっているのかなと思います。