欧州情勢・西洋事情 - 1401097607

4854：OS５：2025/05/07(水) 22:19:01: https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250507/k10014798871000.html
次のローマ教皇は誰に？注目コンクラーベを読み解く
2025年5月7日 18時52分

次のローマ教皇に選ばれるのはいったい誰なのか。

バチカンで始まるコンクラーベの注目点、有力候補の枢機卿たち、そして物議を醸したトランプ大統領の画像投稿の背景には何があるのか。

国際政治史が専門で、ローマ教皇に詳しい日本大学の松本佐保教授に詳しく聞きました。
（ヨーロッパ総局記者向井麻里）

※以下、松本教授の話（インタビューは5月6日に行いました）

コンクラーベ注目点は？
フランシスコ教皇の改革路線が続くのか、あるいはもう少し保守、歴史と伝統を守るという枢機卿が選ばれるのかが注目です。

フランシスコ教皇が在任期間中に任命した枢機卿が100人くらいいます。（投票する権利を持つ）枢機卿は全員で135人※ですので、数の上では改革派が有利だとされていますが、だからといって改革派の教皇が誕生するというわけではなく、保守派なり中道の枢機卿もいます。

※2人欠席のため、投票は133人になるとみられる

フランシスコ教皇が選んだ100人以上いる枢機卿の中で、非欧米の出身、アジアやアフリカ、中東の出身の方が増えていて、多様性が担保されている一方、多様化しすぎることでコンクラーベでは票が割れてしまうということも考えられます。

どんでん返しや逆転もありうるので、予想外のことが起こるかも注目点だと思います。
日本大学松本佐保教授
枢機卿動いている？
そうですね。フランシスコ教皇の葬儀が行われたのが1日目として先日の日曜日で9日、9日間かけてフランシスコ教皇を追悼するミサが、サンピエトロ寺院の中で毎日行われていて、私も日曜日の9日目のミサに参加したんですが、そこには枢機卿の皆さんも参列されます。

ミサに参列されるだけではなく、枢機卿の皆さん集まって、コンクラーベで投票できない年配の枢機卿※も一緒に、今後の教会はどうあるべきかということを議論されています。
※枢機卿とは
ローマ・カトリック教会で教皇に次ぐ地位の聖職者で教皇に助言などを行う。世界中の司教の中から教皇が任命し、任期は設けられていない。
現在、世界94か国252人の枢機卿がいて、このうち80歳未満の135人が新しい教皇を選ぶ「コンクラーベ」で投票する権利を持っている。135人のうち地域別ではヨーロッパが53人と最も多く、次いでアジアが23人、アフリカが18人などとなっている。
その話し合いが少なくとも8回、9回行われていますので、その間にいろいろな交流や場合によっては根回し的なことがすでに行われていると。

コンクラーベに入り実際に投票が始まってから、「票をこっちに寄せる」とかそういうことはあると思いますが、コンクラーベに入る前の段階で、直接はお互いを知らない枢機卿の方たちが世界中から一気に集まってきます。

そうすると、互いに知り合う機会がまさにこの9日間にわたる枢機卿の会議で、こういうキャリアを持っているとか、こういう教育を受けたとか、そういうことを実際に資料も渡されて知り合う機会があるので、当然そこで動きが活発化してるんじゃないかなと思います。
会議に臨む枢機卿ら（バチカン 5月）
改革路線への反発は根強い？
実際、アメリカのカトリック教会は保守派の枢機卿が何人か今回、コンクラーベに参加されます。

その人たちがものすごく有力で選ばれるということではないんですが、アメリカは現在、トランプ政権において保守派が非常に強い状況で、アメリカの枢機卿が巻き返しを図るなどの動きがどうなっていくのか。

保守派というとイメージ的に欧米中心のような気がするかもしれませんが、アフリカ出身で保守派という枢機卿もいて、アメリカの枢機卿とタッグを組んで何か巻き返しを図るという話もあります。

実際にここ数日の間に、アメリカの保守派の枢機卿とアフリカの枢機卿が一緒に歩いている動画がイタリアのメディアなんかで結構アップされていて、いろいろな戦略があるんじゃないかということも言われています。
コンクラーベが開かれるシスティーナ礼拝堂
保守派は何に反発？
まずはLGBTについて。よく知られてるようにフランシスコ教皇は「LGBTの同性愛のカップルを祝福する」ということを言ってらっしゃいます。