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欧州情勢・西洋事情

4794OS5:2025/02/03(月) 11:12:44
 また海軍ではなく漁師が海域を守る形となったアイルランドにNATOやEUで懸念が広がり、アイルランドが相応の防衛責任を果たすには、NATO加盟が必要になるとの議論が強まった。

 だがNATO加盟はアイルランドの中立政策と相いれない。漁業権を巡る政府の無策や防衛力の低さを批判するマーフィー氏も、「NATOに加盟せずに平和維持や戦争の調停役になるのがアイルランドの役割だ」と話す。アイルランドの23年7月の世論調査では、6割以上が中立政策の維持を支持した。マクギャリー氏は「NATO加盟は中立政策の放棄を意味する。中立は憲法に明記されていないが国民に広く支持されており、国民投票が行われたとしても、国民がNATO加盟に賛成する可能性は非常に低いだろう」と語る。

 NATOは24年2月、アイルランド政府と海中インフラ防衛に関する協力を強化することで合意し、重要情報の共有などを進めている。だがアイルランド政府は「これはNATO加盟への一歩ではない」とくぎを刺す。

 アイルランドの防衛意識が高まらない中、欧州各国は焦燥感を募らせる。英シンクタンク「ポリシーエクスチェンジ」は同月の報告書で、「アイルランドは大西洋を横断する経済、デジタルシステムに深く組み込まれ、EU加盟国であり、(NATOなど)多国間安全保障の枠組みから自らを排除していることから、敵対者の標的となることは確実だ」と分析する。さらに「中立政策と防衛体制の脆弱(ぜいじゃく)さにより、アイルランドは信頼できる戦略的同盟国と言えない」と批判し、英国の防衛力増強を求めている。

 一方、ドイツとノルウェーは24年10月、バルト海、北海、大西洋、地中海、黒海の5海域の海中インフラを加盟国間で分担し、監視する案をNATOに提示した。

 だが、NATO加盟国が対策を強化すればするほど、アイルランドの防衛強化への意識づけは弱まり、他国からの「安保ただ乗り」の批判が強まるジレンマがある。NATOは24年8月の政策レビューで、「多数の国や機関の協力関係に隔たりが生まれた時、西側民主主義国の海中インフラは危機に陥る」と警鐘を鳴らす。

 海中インフラの防御強化は、25年6月のNATO首脳会議で、最重要議題の一つとなる見通しだ。だがNATOとアイルランドの防衛意識の差は当面、埋まりそうにない。【欧州総局長・宮川裕章】


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