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欧州情勢・西洋事情

3584チバQ:2020/07/27(月) 10:33:13
 また北欧東端のフィンランドでは、政府の大胆な対策を率いる史上最年少34歳の女性首相、サンナ・マリン氏が国民の約8割の支持を得ている。

 とりわけ国際社会から羨望(せんぼう)のまなざしを向けられたのは、冷戦時代から半世紀以上、非常事態に備えて蓄えていた大量のマスクや医療機器、防護服を初めて秘密の備蓄倉庫から取り出し、コロナ対策に充てたことだ。長くスウェーデンとロシアの支配を受け、第2次大戦中もソ連に攻め込まれたフィンランドの用意周到ぶりは際立っていた。

 ミーア・ラハティ駐日公使参事官は「今回の経験は、備えを怠らないことの重要性を示すものです。私たちは『第2波』に対応する準備も進めています」と話した。

 デンマークも女性のフレデリクセン首相の下、北欧で最も素早いロックダウンでコロナ危機を乗り切った。人口わずか36万人の島国アイスランドでは、やはり女性のヤコブスドッティル首相の政権が積極的に検査を行い、感染者を突き止めていった。

 このように見てくると、スウェーデン以外の北欧4カ国はかなり厳格な対策を実施してきたことが分かる。スウェーデンを国境開放から除外したのも、強い警戒感の表れだろう。

 ノルウェーのニーハマル大使は「スウェーデンではコロナウイルスの感染が拡大しているから、現状で国境を開くことは不可能です」ときっぱり話す。

 「これは苦しい決断でした。北欧諸国はいつも密接に協力してきましたから。実際、コロナ危機でもスウェーデンを含む各国の閣僚同士が毎日連絡を取り合っています。ノルウェーには、この夏にスウェーデン国内の山小屋やサマーハウスを利用したい人、友人や親類を訪ねたい人が少なくなかった。でも残念ながら状況が許さないのです」

根強い「失敗」批判、死者数は減少

フィンランドのマリン首相=2020年5月4日、ヘルシンキ
 一方、スウェーデン側の反発は強い。ヘーグベリ大使は「私たちは何百年も北欧の人々と一緒にやってきた。1950年代からは各国間の自由な行き来も可能になりました。だから今回の措置は大きな後退で、とても悲しい。失望を禁じ得ません。スウェーデン人は旅行が大好きなのに」と落胆の表情を見せた。

 こうした中、スウェーデン国内でもロベーン首相とコロナ戦略を主導した疫学者テグネル氏への批判が高まってきた。この数週間、野党側は政府に疑問を呈し始め、メディアも一層批判的になっている。最近の世論調査では、政府の戦略に対する国民の支持が低下しつつある。

 スウェーデンの戦略には、一定数が感染し免疫を得ればウイルスに対抗できるという「集団免疫」形成の狙いがあるとみられている。報道によれば、テグネル氏は6月中に記者会見で、スウェーデンは集団免疫を目指しているわけではないと断りながらも、「免疫のレベルが高まれば入院が必要な患者数は減るし、1日当たりの死者数も少なくなる」と語った。

 ところが、実際には感染者が増えるばかりで、国民の抗体保有率はあまり上昇していない。このため、高齢者多数を犠牲にしただけで、戦略は失敗だったという声が根強い。

 ただ、4月半ばまで1日100人を超えていたスウェーデンの新型コロナによる死者数は、7月初めには10人前後まで減り、減少傾向が鮮明になっている。スウェーデンの手法に防疫面で効果があったかどうかを見極めるには、なお時間がかかるだろう。

 一方、経済面ではどうか。欧州のユーロ圏はロックダウンの影響で今年の国内総生産(GDP)成長率がマイナス8%と予想されるのに対し、緩やかな規制にとどめたスウェーデンはマイナス4%にとどまるとの予想が出ている。

 ヘーグベリ大使は「今のところこれが最良のアプローチだと私たちの政府は信じています。スウェーデンは国境の閉鎖、社会の封鎖が正しいやり方だとは考えていません。ロベーン首相もこの戦略を続けると言っています」と明言した。


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