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欧州情勢・西洋事情

2561チバQ:2018/03/05(月) 20:11:40
https://mainichi.jp/articles/20180228/ddm/007/030/073000c
揺れる「国民国家」
2018イタリア総選挙/中 自治拡大狙う北部 貧しい南部支え、不満高まる
毎日新聞2018年2月28日 東京朝刊
 ローマから高速鉄道で4時間半。雪に覆われた山々が見えてきた。南チロル地方ボルツァーノ自治県。街中にはイタリア語とドイツ語の併記が目に付く。南チロルは第一次大戦後にオーストリアからイタリアに割譲された。同県は自治権を有し、地域で徴収された国税の約9割が国から配分されるなど税制面でも優遇されている。

 「父らの活動がなければ今のような自治権は得られなかった」。エバ・クロッツさん(66)が誇らしげに言った。1960年代、南チロルではイタリアからの分離運動が活発化。分離主義者による爆弾テロも相次いだ。分離派の活動家だったクロッツさんの父ゲオルグさんは、当局からテロ容疑をかけられ逃亡生活の末に病死した。混乱収拾のためイタリア政府は72年に同県の自治権拡大を認めた。

 だが、自治権が拡大した今もなお、分離を求める住民は少なくない。クロッツさんもその一人。独立派の地域政党「南チロル自由党」を創設し、分離とオーストリアへの併合の是非を問う住民投票の実施を模索する。「どんな政権が誕生しても我々の金を吸い上げる。ずさんな公金管理が続く限り北部の不満は増大する」。クロッツさんは分離を望む理由をそう語る。

 こういった「不満」は北部で共通のものだ。産業集積地で豊かな北部では、貧しい南部が自分たちの納めた多額の税金を費やしている--との思いが自治を求める動きの活発化につながっている。北部のロンバルディア州(州都ミラノ)とベネト州(同ベネチア)では昨年10月、自治権拡大を問う住民投票が実施され、いずれも賛成が9割を超えた。両州政府は右派政党「同盟」(北部同盟から改称)が州政府を担う。

 ロンバルディア州の「同盟」幹部パテルノステルさん(49)は「ボルツァーノは地方自治体のあるべき姿で、我々の目指す姿」と言う。両州は地域で集めた国税の配分比率が約40%。ボルツァーノばりに9割よこせ--との含意がにじむ。統一国家としての歴史が19世紀後半からと短いイタリアは国よりも地域の一体性が強い。だが、地域の不満で租税制度が揺らげば、国の根幹が揺るぎかねない。

 伊政府のマルティーナ農林相はこうした動きについて、独立問題に揺れるスペイン北東部カタルーニャ自治州を引き合いに出し、「税配分についての議論は分離主義につながる。国と地方の交渉事にはしない」と警戒感を示す。だが、収奪されているとの思いを強くする北部では「社会全体のために自分の税金を託したいと思えないイタリアは国として根源的な問題を抱える」(クロッツさん)と絶望感は深く、分離や自治権拡大の要求が国政問題化する可能性は否定できない。【ボルツァーノ(イタリア北部)で賀有勇】


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