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欧州情勢・西洋事情

2535チバQ:2018/02/28(水) 18:02:14
https://mainichi.jp/articles/20180219/ddm/007/030/078000c
終わらぬ憎悪
コソボ独立10年/3 北部の「闇」浮き彫り
毎日新聞2018年2月19日 東京朝刊
 1月16日朝、コソボ北部の北ミトロビツァで数発の銃声が響いた。政治家のオリバー・イバノビッチ氏(64)が事務所から出た直後に殺害された。コソボ紛争後、北部に集中するセルビア系住民とアルバニア系が主導するコソボ政府との和解を促してきたイバノビッチ氏の死は、北部の「闇」の深さを改めて浮き彫りにした。

 アルバニア系がセルビアからの独立を求めて戦ったコソボ紛争。ミトロビツァは川で南北に分かれているが、紛争中にコソボ各地のセルビア系住民が北部に逃げ込み、北部のアルバニア系は南に逃げ、街は「分断の象徴」となった。現在、ミトロビツァを含めた北部4自治体にセルビア人が集住している。

 紛争後も北ミトロビツァはセルビア政府が実効支配していたが、2013年の政府間合意で状況が変わった。警察権はセルビア警察からコソボ警察に移管され、今年に入り裁判官や検察もコソボ側に統合。徐々に「コソボ化」が進む。セルビアは欧州連合(EU)加盟が悲願だが、加盟にはコソボとの関係正常化が必要。そのためコソボ北部を明け渡し始めているのだ。EUは今月、25年までにセルビアのEU加盟を目指す方針を明らかにしており、セルビアが北部を「見捨てる」可能性が高まる。

 セルビア系住民の間では懸念が広がる。会社員のゾラン・ブラスコビッチさん(54)は「北部をコソボに渡すことだけはやめてほしい。(紛争を戦ったアルバニア系の)コソボ解放軍が事実上政権を握っており、何が起きるかわからない」と不安を吐露する。

 北部の治安悪化も深刻だ。コソボ警察関係者によると、セルビア警察の管轄下で薬物密売などの犯罪組織が北部に根を張った。犯罪組織は警察幹部と癒着し密輸の分け前が警察にも回る仕組みができ、この構造はコソボ警察への管轄移管後も続いているという。

 セルビア系のイバノビッチ氏はセルビア、コソボ、欧米の間の対話促進に尽力してきた。だが、犯罪組織はコソボとセルビアの相互理解が深まることで地域が安定するのは好まず、住民らは相手民族への根深い敵対感情から対話そのものに消極的。イバノビッチ氏を狙う敵は無数にいたとみられる。

 北ミトロビツァの大学に通うアンドリアナ・イバノビッチさん(20)は「政治的に不安定だし、治安の悪さも心配。卒業後は(セルビアの)ベオグラードで弁護士になりたい」と話す。コソボ北部で育った若者の故郷への失望感は深い。若者の流出を防ぐための将来ビジョンは誰にも描けていない。【ミトロビツァ(コソボ北部)で三木幸治】=つづく


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