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欧州情勢・西洋事情

2352チバQ:2017/10/19(木) 20:49:21
http://www.sankei.com/world/news/171019/wor1710190001-n1.html
2017.10.19 17:00

メルケル首相は「強いドイツ」どう保つ? インフラ老朽「外から立派に見えても…」
 ドイツ総選挙でアンゲラ・メルケル首相(63)の4期続投が確実となった。欧州で「1強」状態の経済を受けた有権者の安定志向が再選の大きな要因の一つ。ただ、近年は投資不足による重要インフラの老朽なども顕在化し、強い経済をいかに将来も維持するかは重要な課題に上る。欧州への「連帯」にもかかわる問題だ。
(ベルリン 宮下日出男)

 独西部ドゥイスブルク。晴天の8月末の午後、ライン川にかかる高速道路A41号線「ノイエンカンプ橋」を乗用車やトラックなどが行き交う光景をみながら、タクシー運転手のオスマンさんが安堵した。「また通れるようになってよかった」

 完工後約50年。ドイツとオランダを結ぶ高速道の橋は想定以上に交通が増え、老朽が加速。何度も修理されたが、8月には橋を吊すケーブルに多数の亀裂が見つかり、2週間、初めて車両の通行が全面禁止された。

 市内は迂回したトラックなどで大渋滞。「カオスだった」と振り返るオスマンさんは市内2カ所の古い橋も近く相次ぎ交通制限されると語り、肩をすくめた。「外から立派にみえるドイツも内側はこんなもんだよ」

      ◇

 貿易黒字は過去最高、財政黒字もドイツ統一後最大。失業率は統一後最低。まばゆいばかりの言葉が「独り勝ち」といわれる独経済を飾る。その輝きに目を覆われがちなのが国内投資の課題だ。

 「欧州の病人」といわれた2000年代の経済低迷からドイツは構造改革を経て復活した。戦前の超インフレの苦い経験から財政規律を重視する国柄だけに、経済好調で税収が増えても投資などの支出を抑えてきた。国内総生産(GDP)比2・1%の公共投資は財政難のフランスやイタリアも下回る。

 その結果、今ではA41号線だけでなく、他の道路や橋、学校校舎の老朽化なども相次ぎ表面化。「貧しいインフラ」とメディアは取り沙汰し、独政府系金融機関は道路、学校の改善に自治体レベルで必要な投資額はともに300億ユーロ(約4兆円)以上、他部門を含む全体では1260億ユーロと見積もる。

 先端技術で注目されるドイツもデジタル分野のインフラ整備では遅れをとる。独シンクタンクの調査では、その普及度などは対象35カ国中19位だ。

      ◇

 投資不足には海外からも厳しい視線が向けられる。トランプ米大統領はドイツの膨大な貿易黒字を批判してきたが、ドイツ経済研究所のフラツシャー所長は「黒字が過剰というのは正しい」との見方を示す。国内の投資が少ないため、内需も抑えられた結果、輸入が輸出ほど伸びなかった。投資不足は過剰黒字の原因との解説だ。

 欧州連合(EU)も毎年まとめる経済報告書で近年、ドイツに一段の国内投資を促す。欧州最大の経済国で国内の需要を喚起すれば、他の欧州諸国への波及効果も大きいためだ。フランスのマクロン大統領も「ドイツは欧州の投資活性化に配慮すべきだ」と訴える。

 今回のドイツ総選挙では各党が財布のヒモをゆるめ、大規模な所得減税や投資増大など、好調な経済の“果実”の配分にも気を配った。だが、フラツシャー氏は「有権者へのプレゼント(減税)が優先されるのではないか。過ちだ」と危惧する。

 財政規律を重んじて必要なインフラ投資を怠れば、海外からの投資を呼び込む魅力も失われるなど、長期的には経済に悪影響を及ぼす恐れが否めない。

 メルケル氏は選挙戦中、「強いドイツ」には「強い欧州」が必要だと繰り返した。だが、フラツシャー氏は「強い欧州にはドイツが経済的強さを維持することも不可欠。それは将来への投資によってのみ可能だ」と強調。「今の成功に目がくらみ、自信過剰になってはならない」とも警鐘を鳴らしている。


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