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欧州情勢・西洋事情

2241チバQ:2017/09/03(日) 11:41:45
http://toyokeizai.net/articles/-/186119
欧州統合の象徴「ユーロスター」に4時間の壁
大陸側への乗り入れが広がらないワケは
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橋爪 智之 : 欧州鉄道フォトライター 2017年08月29日
1994年の開業以来すでに20年以上、ロンドンとパリ/ブリュッセルを結び続けているユーロスター。海で隔てられた英国と欧州大陸をつなぐ英仏海峡トンネルは、ナポレオン時代からの悲願であり、そのトンネルを介してヨーロッパを代表する2大都市のロンドンとパリ、そしてEU本部のあるブリュッセルとの間を乗り換えなしで結ぶユーロスターは、ヨーロッパという地域共同体における一つの象徴でもあった。

日本と同じ島国である英国が、日本の川崎重工製ボーリングマシンによるトンネル掘削工事の末、大陸と地続きで結ばれ、そこを高速列車が通過していくという話に、少なからず共感を得た人も多かったのではないだろうか。

欧州統合の象徴的列車だが…

そんなユーロスターには長年、大陸諸都市への運行区間拡大という話題が付いて回る。2010年10月19日には、ドイツ鉄道の高速列車ICE3が英仏海峡を渡り、ロンドンのターミナル駅セントパンクラスへ乗り入れるという特別運行が行われた。ユーロスター、そしてドイツ鉄道が、いよいよ本腰を上げて両国間を結ぶ高速列車を運行開始するのか、と当時は騒がれたが、あれから7年、両鉄道が相互に乗り入れるという話の進捗状況は、まったく聞かれなくなってしまった。

もともと地続きで、鉄道の規格もほぼ同じ欧州各国は、これまでも相互に車両が乗り入れることは、技術的にほとんど問題がなかった。最近は、信号システムや電源方式など、欧州各国に対応した最新型車両が多数誕生しており、国境での機関車のつなぎ替えによる時間のロスもまったくない。

しかしユーロスターは、他国間を直通運転する国際列車のようにはスムーズにいかない難問を抱えている。現在準備が進んでいるオランダ乗り入れにも、その難問がついて回る。

主な問題は2つある。「出入国審査」、そして「4時間の壁」である。

まずは出入国審査の壁だ。欧州大陸側は、EUに加盟していないスイスなども含め、原則的にパスポートチェックや税関検査を必要としない「シェンゲン協定」を結んでいる国がほとんどだ。しかし、英国はシェンゲン協定に加盟していないので、現在も出入国の際は審査を必要とする。ユーロスターの場合、駅を出発する際に出国審査と入国審査を同時に行っており、たとえばロンドンのセントパンクラス駅で改札を抜けると、すぐにX線荷物検査があり、それが終わると英国の出国審査、さらにその先に大陸(EU)側の入国審査が待ち受けている。

これはユーロスターの発着するすべての駅で行われていて、出入国の審査を一気に済ませてから乗車をすることになる。つまり、発車前の待合室やプラットホームは、厳密には英国ではなくEU圏内(パリやブリュッセルの場合は逆)となるため、制限区域を各駅に設けなければならない。ユーロスター専用のホームを用意する必要があるのだ。

現在、アムステルダム中央駅では、構内のいちばん北側に位置する15番線ホーム先端付近に、ユーロスター用のX線検査場、出入国審査場、待合室などを設置する工事を開始している。途中停車駅として名前の挙がるロッテルダム中央駅も、スペースに余裕があるので、おそらくこうした設備を設けることは問題ないはずだ。


スキポール空港駅に停車する列車。ホームは4本8線しかなく、ユーロスター専用ホームを建設することは不可能だ(筆者撮影)
とはいえ、そこをユーロスター専用ホームにするということは、他の列車はそのホームを使えなくなる。同じく停車駅の候補となっているスキポール空港駅については、ホームが4本8線しかない。現状でも、この4本のホームをフル活用している状況では、1日にわずかな本数しか乗り入れないユーロスターのために、わざわざ専用のホームと待合室を設けることは困難だ。オランダへの乗り入れが無事にスタートしたとしても、スキポール空港駅は問題が解決するまでは通過することになるだろう。


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