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欧州情勢・西洋事情

2088とはずがたり:2017/06/05(月) 18:14:21
>>2087-2088

普通の状況であれば、メルケル、マクロン両氏はともに大西洋主義者であり、米英両政府との強い関係を求めるところだ。だが両氏は、EU離脱(ブレグジット)とトランプ大統領の登場によって、どちらの国も驚くべき誤った道を取ろうとしていると感じている。そして、彼らはその穴を埋めようとしていると見られたがっている。

その意思は、トランプ大統領が先週のNATO首脳会談で見せた振る舞いで一層強固になった。トランプ氏は、他国の指導者を文字通り押しのけ、期待に反して相互防衛を定めた北大西洋条約第5条を尊重すると明言せず、加盟国の負担金の仕組みを未だ理解していないようだった。

非公開会合の場で何があったか分からないが、メルケル氏やマクロン氏の週末の行動を見れば、建設的なものではなかったと察せられる。

多くの点で、大きな変化が起きる訳ではない。NATO同盟は、欧州防衛の屋台骨であり続け、米軍の軍事力に依存し続ける。外交上のレトリックとは対照的に、米欧の軍隊は関係をさらに深めるだろう。

だが欧州の大国はいまや、米国不在の日に備えて、自らの手でより多くのことを担う決断をしたように見える。

欧州連合(EU)は、計画や調達、訓練など、防衛面でより多くの共同行動をとるようになるだろう。NATOは、欧州大陸の国々が、米国や英国と交流する道具になる。だが欧州の中心国は、必要があれば単独で戦うための計画をより積極的に進めるだろう。

英国にとって、この新たな潮流は、外交上の命取りとなるリスクをはらむ。

英国政府は、ブレグジットの交渉にあたり、不必要に高圧的な態度を取っている。前倒し総選挙においてメイ首相が狙う、過半数を大幅に上回る議席獲得は、もはや難しそうだ。

そして欧州で最も大きな権力を持つ政治家、メルケル首相はいまや明らかに、英国は、米国やロシアと同様に、欧州の中核国にとって協力はできるが頼りにならない国の1つだと位置づけている。

これは、ブレグジットには良くない材料だ。同時に、欧州大陸で何かを成し遂げようとする際に、英国の交渉力がずっと弱くなることを示唆している。

マクロン、メルケル両氏が世界をどう見ているかは、いまや明らかだ。ロシアは脅威だ。彼らは、それぞれの自国民の多くがトランプ大統領をばかにしていることを知っており、トランプ氏に立ち向かうことで、政治的な成果を得られることが分かっている。ブレグジットが大失敗に終わるよう画策することも、その戦略にあてはまるかもしれない。

こうしたことは、すべてよく理解できるし、欧州が自信を新たにしたことで、得られる成果もあるかもしれない。だが同時に、新たな不確実性への扉を開くことになる。

もしトランプ氏が再び欧州を訪問することがあれば、今回よりもさらに波乱に満ちたものになるだろう。

*筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。


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