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欧州情勢・西洋事情

1925チバQ:2017/04/23(日) 18:20:23
■「脱・悪魔化」打ち破れぬ壁 国民に根付く「民主主義=戦後の共和制」

 「国民戦線」は1972年に創設された。結党に加わったのは、第二次大戦中にフランスを占領したナチス・ドイツと結託した対独協力政権の残党や、植民地独立に反対した白人至上主義者、それに反共主義者たち。ジャンマリ・ルペンは大戦中、漁師の父を亡くした戦争孤児で、旧植民地アルジェリアに従軍後、下院議員になった。炎をかたどった党のシンボルは、イタリアの独裁者、ムソリーニのシンパ団体のマークに由来する。

 ジャンマリは「対独協力政権は許されてよい」「ユダヤ人虐殺は歴史の些細(ささい)な出来事」と発言し、「人種差別主義者」「歴史を歪曲(わいきょく)するファシスト」と嫌われた。憎悪はマリーヌら3人の娘にもおよび、学校で教員にいじめられた。2番目の姉は登校拒否になった。

 父親のあとを追って、政界入りしたのは末娘のマリーヌだけだ。大学を出て弁護士となり、少年事件を担った。党の法務責任者を経て党首に就任。「脱・悪魔化」を使命にした。

 モヒカン頭でこわもてのネオナチを集会から締め出し、側近に元高級官僚を起用。地方選で候補の半数を女性にした。ユダヤ人団体に「私たちを恐れないで」と訴え、父親を党指導部から追放した。「われわれは右でも左でもない」と訴え、保革二大政党制を打ち破る新勢力だとアピールした。

 だが、人気上昇の一方、「人種差別政党」というレッテルから逃れられない。世論調査では58%が「国民戦線は民主主義を脅かす」と答えた。ユダヤ系ジャーナリストのギイ・シボンは「国民戦線の勝利を阻止できるなら、誰にでも投票する。彼らは単なる移民嫌いのポピュリストではない。上っ面を変えても、党を支える危険な人間は同じ」と嫌悪感を隠さない。

 マリーヌは、米国でドナルド・トランプ大統領を誕生させた反エスタブリッシュメント(支配階層)の“風”に乗ろうとするものの、トランプの反応は冷たい。米大統領選後、ニューヨークのトランプタワーを訪れたマリーヌに会おうともしなかった。

 戦後のフランスは、対独協力政権から、ドゴール将軍を中心にした共和制に生まれ変わった。国民は「民主主義=戦後の共和制」をずっと教え込まれ、暗い過去を引きずる国民戦線は保革両翼から忌み嫌われた。マリーヌは、いまなお、この戦後の幻影を打ち破れないようにみえる。=敬称略

                  


 仏大統領選の第1回投票はルペン氏がどこまで得票を伸ばすかが焦点だ。独立系候補も伸長し、保革二大政党制は危機に直面する。有力候補の背景から、転換期を迎えた仏政治のいまを追った。(パリ 三井美奈)


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