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欧州情勢・西洋事情

1411とはずがたり:2016/08/01(月) 22:16:04
>>1410-1411
最初のシナリオでは、第50条が発動される前に、EUが態度を変え、交渉期間の延長に合意する。英国・EU双方にとってカウントダウンが始まる前に時間稼ぎができるが、EUが譲歩したことになるし、一部のEU加盟国、特にフランス政府の怒りを買うことになろう。

もう1つのシナリオでは、来年早々にメイ首相が第50条を発動した場合、英国とEUとの将来的な関係について、ノルウェーやスイスのような既存のモデルにならって、非常に基本的な枠組みのみ定める、というものだ。

しかしそれでも、2年間という期限は厳しいというのがもっぱらの見方である。

EUがグリーンランド自治政府の離脱に関する協定をまとめるに当たって、もっぱら漁業権のみを中心とする交渉だったにもかかわらず、3年を要したと指摘する高官もいる。

この高官は、英国のEU離脱に関しては、両者の関係が複雑なだけに、少なくともその倍、つまり6年間は必要になると試算しており、2年間という期限は「ミッション・インポッシブル」であるという。

事態をさらに厄介にしているのが、来年は欧州各国で重要な選挙がいくつも予定されていることだ。高官らは、これらの選挙で離脱交渉が停滞してしまうことを懸念している。

ドイツ、フランス、オランダはすべて2017年中に国政選挙を予定しており、スペインは2回の選挙を経ても決定的な結果が出ず、今も組閣に苦労している。イタリアのマッテオ・レンツィ首相は、今秋予定されている憲法改正に関する国民投票で敗北すれば辞任すると語っている。

これら諸国のリーダーたちは、自国の選挙運動に没頭することになろう。政権交代が生じた場合、新政権が落ち着くまでには時間が必要になる。

ブリュッセルで活動する高官は、「来年、主要5カ国が選挙戦の最中にあるか、不安定な政局に揺れているときに、欧州がブレグジット交渉に力を注げるだろうか」と疑問を投げかける。

<甘い夢を見る英国>

この高官によれば、たとえ正式な交渉が半年ないしそれ以上経っても始まらないとしても、今後数ヶ月のあいだに英国とEUが離脱交渉の主要原則に関して歩み寄ることが重要であるという。

ドイツその他の国の政府が深く憂慮していることの1つは、離脱交渉において勝ち取ることのできる条件について、英国政府が非現実的な期待を抱いてしまうことだ。特に、EU統一市場へのアクセスと、移動の自由というEUの基本原理の尊重とのあいだの二者択一の問題だ。

英国の外交関係者も、メイ首相がEU離脱交渉担当として集めたチームが、EUから英国が勝ち取ることのできる譲歩について甘い夢を描いていることを認め、欧州側の交渉担当者は彼らに直接この現実的なメッセージを届ける必要があると話している。

「デービスEU離脱担当相やフォックス国際貿易担当相といった多くの人々は舞い上がってしまっている」とドイツ高官の1人は言う。「彼らには、冷静さと取り戻す時間が必要だ」

問題があるのは英国側だけではない。EU側で誰が交渉の先頭に立つのかは依然として不明だ。もっとも関係者は、9月までにこの点をクリアにすることをめざすと話している。

ドイツ政府は、EU行政府である欧州委員会やジャンクロード・ユンケル委員長、あるいはその首席補佐官であるマルティン・ゼルマイヤー氏に交渉権限を委ねることに消極的である。彼らが英国に対して過剰な対抗意識をあらわにすることが心配なのだ。

これに代わる策としては、ポーランドのドナルド・トゥスク氏が率いる欧州理事会に主導権を委ね、欧州各国政府の担当官が情報を提供し、欧州委員会が二次的・補助的な役割を担う形が考えられよう。

いずれにせよ、英国以外の27加盟国のあいだで共通の交渉戦略に合意することは、非常に大きな課題になりつつある。特に、離脱交渉のプロセスにおいて英国にどう対応すべきか、独仏両国が意見を異にしているとあっては、なおさらである。

(翻訳:エァクレーレン)


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