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欧州情勢・西洋事情

1401とはずがたり:2016/07/25(月) 02:00:47
国民投票とポピュリスト政党、イタリアの危険過ぎるアンサンブル
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/07/post-5518.php
2016年7月20日(水)16時00分
アフシン・モラビ(本誌コラムニスト)

 イタリアは危機に瀕している。彼らがこれをどう乗り切るかによって、EUも世界経済も深刻な影響を受ける。

 懸念されるのは、左派ポピュリストの台頭だ。世論調査では立て続けに、お笑い芸人ベッペ・グリッロが率いるポピュリスト政党「五つ星運動」が、中道左派の与党・民主党(PD)を抑え1%未満の僅差ながら支持率トップ。6月に行われた市長選は、ローマとトリノで五つ星運動の女性候補が圧勝した。

 彼らの勢いを警戒する理由は、グリッロがイタリア経済の立て直しについて答えを持っていないからだ。ポピュリストらしくスローガンは山ほど持っているが、低成長から抜け出すための具体的な政策は何もない。…

「長い下り坂」の始まり
 イタリアがユーロを離脱すれば、ブレグジットと同じ衝撃が経済に広がるだろう。

 イギリスの国民投票の数日後、大手格付け会社2社が英国債の格付けを引き下げた。ポンドは下落を続け、今月5日には31年ぶりの安値を付けた。投資家はイギリスから資金を引き揚げ始め、金融サービス企業はロンドンの雇用をヨーロッパのほかの首都に移す意向を示している。

 イギリスの空に灰色の雲が垂れ込めているのは、天候のせいではない。経済界や若い世代、都市部の専門職の間に、国民投票が長い下り坂の始まりを確実なものにしたという明白な喪失感が漂っているのだ。イギリスは過去を生きる国になった。

 イタリアにとってポピュリスト政治に軽々しく手を出すことは、好景気のときでも十分に問題だが、経済不振の真っただ中となるとあまりに危険だ。

 イタリアの銀行は時限爆弾を抱えている。融資の17%が不良債権化しており、これはアメリカの10倍の数字だ。金額にして3600億ユーロに達する。

 大手銀行のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナはECB(欧州中央銀行)から不良債権の大幅削減を求められているが、自力では不可能とみられる。EUは公的資金による銀行の救済に慎重で、株主と債券保有者にも損失の負担を要求している。

 ただし、イタリアでは銀行債の約半分を、機関投資家ではなく個人が購入している。EUが強硬姿勢を崩さず、イタリア政府に公的資金の注入を許さなければ、銀行債を保有する人々の怒りを買い、五つ星運動の支持者が増えるだろう。

 マッテオ・レンツィ伊首相は10月に、国会と地方行政のスリム化を盛り込んだ憲法改正案の是非を問う国民投票を実施する。改正が実現すれば、レンツィが掲げる経済改革のための政策を遂行しやすくなるだろう。ただし、国民投票で負けたら首相を辞任すると明言。彼もまた、国民投票熱に浮かされている。

 レンツィが辞任すれば、市場に衝撃波が広がるだろう。そして、ヨーロッパ第4位、世界第8位の経済を、グリッロと五つ星運動が切り盛りする可能性が高くなる。

 グリッロは多くの左派ポピュリストと同様に、「人民の代表」だと宣言する自分に酔っている。今頃は地中海に浮かぶヨット(実際に所有している)かフェラーリのシート(これもそう)に身を委ね、首相になった自分を想像していることだろう。

 不吉な想像だが、ポピュリストが勢いづいている時代だ。私たちはこの不安と真剣に向き合わなければならない。

[2016年7月19日号掲載]


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