したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

欧州情勢・西洋事情

1326とはずがたり:2016/07/01(金) 16:20:26
EUに今もっとも必要なのは「社会保障改革」だ 移民・難民の動態把握で不信感払しょくを
http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-121228.html
06月11日 16:00東洋経済オンライン

4月24日、オーストリアで行われた大統領選挙の第1回投票では、極右政党・自由党のノルベルト・ホーファー氏が首位に立った(5月22日の決選投票では、リベラル政党の候補に僅差で敗北)。懸念された大統領就任は回避されたが、ホーファー氏は、移民を無制限に受け入れればオーストリアの社会保障制度が破綻しかねない、と主張し選挙運動を展開していた。極右候補の同氏の躍進は、欧州の根本的な課題を浮き彫りにしている。

ホーファー氏のような主張に対し、労働経済学者は厳しく反論していた。一方、欧州の有権者からは共感を得たのも事実だ。移民の流入による社会保障への影響について、有権者の不安に付け込む右派の大衆主義政党は、大陸の至る所で支持を伸ばしている。英国でもそうした国民の不安が、欧州連合(EU)離脱の機運を高めている。

移住者の社会保障データ、EU各国で共有を
EUが域内を自由に移動できる地域として存続するには、域外との境界線の警備強化に加え、域内の社会保障制度の改革が必要だ。単一労働市場の健全性を保つには、移住してきた労働者に対し、社会保険料の納付と社会保障給付の実績を各国間で共有することが欠かせないのである。

欧州の政策論議では、域外との境界線の警備強化については一定の検討が行われている。しかし、域内の国境をまたぎ社会保障を調整する仕組みについては検討されていない。EUは今、労働者が他国に移住した場合でも各国政府が社会保障記録を追跡できる「欧州社会保障識別番号」(ESSIN)を導入すべき時期に来ている。

ESSINがあれば、移民や難民の問題について、より正確な情報に基づく議論が促進されるはずだ。

そこでは移民が社会保障制度にもたらす財政的貢献を評価する声も上がるだろう。実際、労働を目的とする移民の多くは若く、社会保障給付も少ない。イタリアでは移民による社会保険料の年間納付額が、社会保障給付額を約50億ユーロ上回った。同国の社会保障機構の試算によれば、過去20年間で、移民が納付した約150億ユーロもの年金保険料はその後、請求されていないという。

ただし、自国の紛争から逃れてきた難民となると話は別だ。そもそも難民の場合、亡命申請が承認されるまで働くことはできない。そのため難民は収入の低くなるケースが多く、社会保障給付の原資を奪ってしまうことにもなる。

また、国境を越え繰り返し移住する労働者については、社会保障制度を悪用するケースも散見される。たとえばEUの一つの国で働き、別の加盟国で失業手当を受給するといった事例が後を絶たない。

こうしたリスクを防ぐ唯一の方法が、前述のESSINなのである。それは、各労働者が最初に雇用された国を示す識別情報(たとえば最初の3ケタ)を含めるなどして作れるはずだ。各国の納税者番号にひも付けすれば、より使いやすくなる。

域内移動の自由保障は経済回復に不可欠
ESSINを用いれば、EU域内の自由な移動に対する不信の温床となっている、労働者の違法流入も抑制できるはずだ。またESSINを、社会保険料を滞りなく納付してきた者にしか付与しないようにし、そのうえで欧州失業給付金制度のようなプログラムを構築してもよい。

EUでは今、移民や難民の自由な移動が労働市場リスクを高める脅威としてとらえられている。しかし、域内移動の自由を促進せずして、欧州の経済を回復させることはできない。社会保険料の納付・社会保障給付を閲覧できる仕組みがあれば、持続可能性や公平さを担保できるだけでなく、現在EUが対応を問われている移民・難民問題に関しても、政策論議をより深化させることができる。

手をこまねいているだけでは、今後も大衆主義者の勢いが増すことになりかねない。

(週刊東洋経済6月11日号)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板