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欧州情勢・西洋事情

1240とはずがたり:2016/06/24(金) 20:54:14
>>1239-1340
 離脱を決めたイギリスに対してEUが有利な条件を与える可能性は低いということも、投資家は懸念するに違いない。イギリスに続いて離脱に傾きそうな他のEU加盟国に対して、離脱には厳しく対処するという前例を示す必要もある。尚更、離脱交渉はイギリスにとって厳しい内容となるだろう。

 EU離脱が現実のものとなれば、自国通貨ポンドの急落を覚悟しなければならない。離脱派が離脱によってもたらされると主張する長期的な利益はすべて、ポンド安で相殺されてしまうと考えるべきだ。

 一方、ロンドンの金融街シティーの金融機関は、イギリスのEU離脱によりEU域内で営業ができる「パスポート」を失う。欧州市場へのアクセスが限られることになれば、拠点をロンドンから他のEU加盟国に移さざるを得なくなる可能性も指摘されている。

スコットランド独立へ

 政治レベルでも激震が襲う。EU離脱が決まれば、スコットランドで独立を問う住民投票の再実施を求める機運が高まるだろう。スコットランドの住民の多くはイギリスに留まるよりもEUに帰属することを好む傾向にある。イギリスのEU離脱が決まった時点で住民投票を実施すれば、独立派が勝利し英国の分断につながる可能性は極めて高い。

 EU離脱は欧州や世界の経済にとっても大きな打撃だ。苦境に立つ欧州経済にとって、EUの主要貿易国である英国の経済が大きく後退したり、反EUを掲げる政治勢力が勢いをつけるような事態は何としても避けたい。欧州議会の議員が再三警告してきた通り、EU離脱が現実になれば、フランスやイタリア、オランダなどでもEU離脱の是非を問う国民投票の実施を求める声が一層高まるリスクがあるのは自明の事実だ。

 世界の主要通貨の一つである英ポンドが暴落して、世界各国が通貨切り下げ戦争に突入するのは断じて望ましくない。世界の金融市場が混乱するのも確実だ。

 上記すべての理由から、我々はEU離脱が現実にならないことを願わなければならない。だが投票を間近に控えてなお離脱派と残留派の支持が拮抗していることを思えば、世界の経済政策立案者が最悪の事態を想定して準備を整えていることも願おう。

This article first appeared at Economics21.


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