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ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

284とはずがたり:2015/03/04(水) 15:48:42
>>282-284
インドが中国よりも手を組みやすい理由

 例えば西側による制裁でロシアの大企業や銀行による外国からの資金調達が難しくなっているが、中国がそうしたオフショア市場を十分に提供してくれるわけでもない。

 第2に、インドは中国と違って、ロシアとの間に安全保障上の争点がないので、核関連や軍事関係の戦略パートナーとしての結びつきが可能だ。

 2014年12月のプーチン大統領の訪印の際に締結された20あまりの合意文書は、合計で1000億ドルを超える大型の商業契約だったと報道されている。その内訳は、石油や天然ガスに関わるものが半分の500億ドル、そして40%が原子力エネルギーに関するものだった。

 このほか、兵器など軍産品、化学肥料、宇宙、ダイヤモンドなどが合わせて10%となっていた。ロシアは今後20年間にわたって原子力発電所を12基新たに建設することになっているし、ロシアが中国に対しては行わないような最先端技術の供与も検討されているようだ。

 ソ連以来のロシアとインドの友好関係の結果、近年までインドの兵器のおよそ8割がロシア製であったという。しかし米国が急速にこの市場に参入してきており、その比重は6割にまで下がっていた。

 このトレンドを打破するためにも、ロシアは最新鋭の多目的ヘリコプターをインドの工場で作るという契約を結んですらいる。

 モディ首相は国内の製造業を強化する強い意向を持ち「メーク・イン・インディア(Make in India)」にこだわっており、外国産業の誘致にも非常に前向きであることから、プーチン氏の訪印は、まさにこれに一役買った格好だ。

狙いは中央アジアへの権益確保

 第3に、ロシアとインドとの結びつきは、その間に挟まれた中央アジア地域へのロシアの権益確保という観点から重要である。

 アフガニスタンへの米軍などによる攻撃に際して、中央アジア諸国が米国に軍事基地を貸し出すという事態に至り、このことはロシアの同地域への影響力が失われるのではないかというモスクワの不安を引き起こした。

 しかしアフガニスタンから米軍が撤退した現在、同地域への影響力を浸透させつつあるのはほかならぬ中国である。

 中国からヨーロッパに至る交通網を中央アジア経由で結ぼうとする大胆な計画が浮上しており、このことがロシアの対中警戒感を呼び起こすことになっている。

 さらにロシアが進めるユーラシア経済共同体の内実を充実させるためにも、インドがこれに参加するなら、その可能性はきわめて低いが、大きなプラスの影響があるだろう。

 このように、ロシアとインドは、様々な点で相互に重要な2国間関係を持っているが、しかし今後の展開については、不安要素が強いのも事実である。

インドは非同盟中立路線の伝統に立った「全方位外交」を進めつつあるとはいえ、モディ首相は中国ではなく米国をその主たるパートナーとして選びつつあるようだ。

 中国のインド洋における「真珠の首飾り戦略」のようなインドの海洋権益と真正面から対立するような構想があるうちは、そもそも中国との関係の全面的な深化は難しいのかも知れない。

 この中国との対立を見越して、インドは日本、米国、豪州との菱形の連携による対中国包囲網を築こうとしているという見方もあり、インド対外関係省の反対を押し切って、モディ首相がこの路線を選んだという報道がある。

 仮にこれが事実だとすれば、ロシアにとってインドとの連携も、事実上、形式的なものに終わる可能性があるということだろう。ロシア、そしてプーチン大統領の悩みは、なお深いのである。


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