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自民党スレ
8309
:
チバQ
:2022/09/14(水) 17:25:54
「留任か党役員か。どちらにしても受けてほしい」。内閣改造3日前の8月7日、公邸に裏側から入った萩生田に、岸田はこう告げた。萩生田を党に、西村康稔を閣内に置き、官房長官の松野博一、国会対策委員長の高木毅、参院幹事長の世耕弘成は続投させるというのが岸田の戦略だった。安倍は生前「萩生田を頼って欲しい」との言葉を岸田に残していた。対外的には派内で期待するリーダーとしてこの「五人衆」を挙げた安倍だが、意中の後継者は萩生田だった。
だが、萩生田を頼ろうとした岸田の戦略は裏目に出る。参院選期間中、新人候補の生稲晃子を伴い統一教会の関連施設を訪れ応援を依頼していたことが判明。萩生田は猛批判に晒され、逆に政権の足を引っ張る存在となった。岸田は清和会のドンにも手をのばす。
岸田が森に「誰を考慮すべきでしょうか」
8月3日。岸田はオークラ東京の日本料理屋「山里」で森、青木幹雄と会食。前選対委員長の遠藤利明と組織運動本部長の小渕優子も同席した。この会食は森の誘いによるものだった。昨年、幹事長に茂木敏充を起用したことで悪化した岸田と青木との関係修復が狙いだった。改造を控え、岸田が森に「誰を考慮すべきでしょうか」と問うたところ、森もまた萩生田、西村、松野、世耕、高木の五人衆の名前を挙げた。森はその席で茂木の交代も主張した。だが、岸田は青木の手前、茂木の話題は避けた。
一方、青木も岸田には礼を言わねばならない事情があった。この日召集された臨時国会で、新しい参院議長に元厚労相の尾辻秀久が選出された。青木の薫陶を受けた尾辻は議長候補に何度も挙がったが、安倍との不仲から見送られてきた。安倍と石破茂が立候補した2018年の自民党総裁選で石破の選対本部長を務めたのが尾辻だ。だが石破支持の青木に対し、茂木は派内の衆院議員を安倍支持でまとめ、茂木と青木は決定的に対立した。その尾辻が三権の長となったことで、青木は岸田に感謝をしていた。
青木は「一番の民主主義は選挙ではなく、話し合いだ」と、盟友の竹下登の口癖だった「和」の必要性を岸田に説いた。「焦らずじっくりでいいからしっかりやりなさい」と政権運営について助言すると、岸田も黙って頭を下げた。小渕の後見役である青木は「(小渕の)入閣は次でいい」とも伝えた。傍らの森も頷いた。だがこの後、森をめぐるきな臭い動きが顕在化する。(文中敬称略)
◆
赤坂太郎 「死せる晋三、生ける岸田を惑わす」 全文は、「文藝春秋」2022年10月号と「文藝春秋digital」にてお読みいただけます。
「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2022年10月号
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