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自民党スレ

8110チバQ:2022/07/30(土) 08:56:34
安倍派四天王
 安倍氏は昨年、月刊誌のインタビューで、派閥(当時は細田派)における“ポスト菅義偉首相”候補に下村氏の名を挙げ、その翌月、同じ雑誌で西村氏、萩生田光一氏(58・経産相)、松野博一氏(59・官房長官)にも言及した。以降、四人は「安倍派四天王」と呼ばれるようになる。

「この記事で安倍氏は“自民党は人材の宝庫”と話していますが、皮肉にも安倍派は宝庫とはいえません」

 と政治部デスクは続ける。

「100人近い大所帯ながら、衆目一致する総裁候補がいない。それこそが最大の弱点とされてきました。まず下村氏の名前が雑誌に出たため、安倍氏に“自分も加えてほしい”と訴えた議員もいたとのうわさです」

森喜朗元総理も登場
 四人がにらみ合う形となった結果か、昨年の総裁選では四人とも立候補を断念。安倍氏が無派閥の高市早苗氏を全面支援したのは周知の通りである。

 喪に服すどころか四十九日さえ待たずに「我こそが後継者」とせめぎ合う幹部たち。政治ジャーナリストの青山和弘氏が言うには、

「50代と若い西村氏と萩生田氏の二人は当初、四天王に松野氏と世耕氏、それに派の副会長である高木毅氏(66)も含めた七人での集団指導体制を唱えていました。二人には“次世代の自民党のリーダー候補は自分たちだ”との自負があり、一気に世代交代を進めようという狙いがあったのです」

 無論、ベテラン勢はこの動きに危機感を募らせる。

「下村氏は、自らと塩谷氏の会長代理二名による双頭体制を提案していました。下村氏は当選9回。塩谷氏は当選10回ですが、先の総選挙では小選挙区で敗れた比例代表復活組。そんな事情から総裁選への意欲は薄いと見られ、下村氏はいずれ自分が派のトップになると踏んだのでは」(青山氏)

七人による集団指導体制
 ほどなく、それぞれの水面下でのうごめきが顕在化することになる。

 13日、時事通信は「安倍派、後継会長を置かず=塩谷氏ら7人が集団指導」と見出しに掲げた記事を配信。安倍派は当面、後継会長を置かずに、塩谷氏ら有力者七人による集団指導体制で派閥を運営する――というのがその主旨だった。

 翌14日、読売新聞もこれに追随する。「安倍派 合議体を検討 後継見当たらず」というタイトルで、いわく下村氏が顧問に退き、塩谷氏が合議体の代表役に就くとの見通しを報じたものだ。

 二つの報道に共通するのは、集団指導体制のメンバー構成だ。いまや安倍派の「七奉行」と呼ばれる七人。すなわち「安倍系」の下村、萩生田、世耕、西村の四人と、かつて福田赳夫元総理を支えた比較的リベラルな系譜を引き継ぐ「福田系」の塩谷、松野、高木の三人が「鳩首して物事を決める」というのだ。

「いずれ他派閥の草刈り場に…」
 新会長を選ばないこの案は、安倍氏の通夜当日に西村氏が呼びかけた幹部会で確認されたと伝わるが、

「そもそもこの案は、早くから森喜朗元総理が口にしていたものなんですよ」

 とは事情を知る関係者。

「当初、衛藤さんは塩谷さんを会長に据え、残りの幹部が補佐する案を提案した。ところが下村さんが顧問として棚上げされるのを警戒して猛反発。そこでかつてのオーナーの森元総理の案を持ち出したのが、聡(さと)い西村さんだったというわけ。下村さんは一丁上がりにされたとみられていますよ」

 バランスと和を優先した合議体、ならばいいが、派のさる閣僚経験者はこの案を一笑に付す。

「森さんは自分が会長だった時代に派閥を分裂させた過去がある。いくら苦肉の策だといっても、こんな無責任な体制じゃ、続くものもかえって続かないよ」

 先の青山氏も指摘する。

「本来なら派の重鎮である細田博之衆院議長(78)が調整に乗り出すべきところなのに、セクハラ疑惑に見舞われて、“自分は何もやらない”と役回りを放棄。混乱に拍車をかけています」

 下村氏は派内の若手を食事や酒席に誘うなど多数派工作に乗り出しており、西村氏や萩生田氏らは密に連絡を取り合って対抗する。

「非主流派に甘んじる二階派の幹部は“90人超の集団も頭領がいなけりゃ脆い”とニヤニヤ。いずれ他派閥の草刈り場にされるかも」(先の政治部デスク)

 船頭多くして「山に登れる」ならば、まだましな結末かもしれない。

「週刊新潮」2022年7月28日号 掲載

新潮社


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