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自民党スレ
5773
:
名無しさん
:2020/11/20(金) 11:40:34
>>5772
派閥衰微時代の“申し子”ともいえる菅総理
そんな派閥衰微の時代の申し子こそ菅義偉だった。じつは彼は「加藤の乱」の2年前の1998年にも、造反側に回っていた。
それは橋本龍太郎の後任を決める自民党総裁選に、菅が慕っていた梶山静六が小渕恵三、小泉純一郎とともに立ったときのこと。梶山は所属する派閥の領袖である小渕に反旗を翻し、小渕派(平成研究会)を離脱したうえでの立候補であった。
このとき菅は梶山と行動をともにし、1年生議員ながら梶山選対の事務局次長を担った。結果は小渕の完勝で、梶山は敗北を喫する。菅はのちに《このときが自分の政治家としての原点ですよね。最後は自分で決める。党に守ってもらうことはもう考えなくなった》と振り返っている(※2)。
菅はそれからしばらく無派閥だったが、梶山の計らいで加藤派(宏池会)に移り、そこで「加藤の乱」を経験することになった。乱の後、加藤派は親加藤の小里貞利派(のちの谷垣派)と反加藤の堀内光雄派(のちの古賀派)に分裂、菅は堀内派に合流する。だが、彼はその後も派閥のしがらみにとらわれることなく、自らの信念に従って行動する。
2006年、小泉純一郎の後任を決める総裁選では、派閥の違う安倍晋三の支援に回った。このとき安倍の属する森派(清和会)の会長の森喜朗は当初、同派の福田康夫の擁立を先行させ、安倍に立候補を思いとどまるように求めたという(※2)。安倍はこれに反発、菅に自分の事実上の支援団体になる「再チャレンジ支援議員連盟」を立ち上げさせた。
同連盟には派閥横断的に多くの議員が参加し、福田は出馬断念に追い込まれる。これに勢いづいた安倍は総裁選に勝利し、第1次内閣を発足させた。菅は「加藤の乱」以来の因縁の相手である森に、ここでやっと一矢報いたともいえる。
このあと2009年に菅は「派閥は古い体質の象徴と言われている」として宏池会(前年に谷垣派と再統合した古賀派=現・岸田派)を離脱する。そして2012年に安倍が首相に返り咲くと官房長官に就任、約8年間政権を支えたのち、無派閥のまま今年、総裁選を勝ち抜いて首相に登り詰めた。自民党で無派閥の議員が総理・総裁に選ばれたのは菅が事実上初めてとされる。
菅はその後、「加藤の乱」について訊かれても、《加藤さんが途中で引いちゃったでしょ。私はふてくされてね》と多くを語っていない(※2)。対照的に岸田文雄は、昨年、菅の対抗馬として総裁選に立つ直前に上梓した著書『岸田ビジョン 分断から協調へ』(講談社)の最後の章で、かなり詳細に「加藤の乱」を振り返っている。
それによれば、岸田は衆院での内閣不信任案の採決を前に、同じく加藤派の若手議員だった石原伸晃の事務所に塩崎恭久、根本匠と集まったという。このとき、石原が「固めの盃」と称して、日本酒がなかったので自らシェイカーを振ってドライマティーニをつくり、グラスに注いだ。4人でそれを一息に飲み干すと、岸田は《もう良いも悪いもない。会長[加藤]がここまでの決意をされたなら、一緒に討ち死にしよう。除名でも、対抗馬でも何でもかかってこい》と自分でも珍しく大きな声を上げる。
じつは岸田は採決を直前にしてもまだ、このまま突き進むべきか悩んでいた。だが、ドライマティーニを飲み干すと、腹の底から力が湧いてくるように感じ、ようやく迷いを断つことができたという。ほかの3人も「生き残れたら、また乾杯だ」などと、勝どきを上げるかのような大声を響かせた。
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