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自民党スレ

1143名無しさん:2016/03/05(土) 19:37:23
>>1142

溢れる「現役感」
 ウラもオモテもない。それが、すべてだった。

 沈黙を守り続ける大物の独占インタビューというものは、概して、受ける側に何かメリットがあるから受けるものだ。主導権も受け手側が握ることになる。そう考えると、純一郎氏にも彼なりの目論見があったのだと思う。

 1つ目は、「原発ゼロ」についての主張を保守論壇で展開したかった、ということ。リベラルな新聞社や出版社の媒体に掲載したのでは、もともと支持しているような人たち以外に広がりにくい。そこで『文藝春秋』という保守系の雑誌に載ることに意味がある。純一郎氏が電話で「インタビュー、受けるよ」と言った後、すぐに掲載媒体について確認された覚えがある。

 2つ目は、正月号に載せたかったということ。月刊誌や週刊誌は、正月号の第一特集が一番読まれるものだ。普段雑誌を買わない人も帰省の移動中などに買ってくれる。

 インタビューを始める前に、純一郎氏から「何月号に載せるの?」と聞かれ、「11月発売号です」と答えると、「もっと練ったほうがいいよ」と言われた。結局正月号に載せることになったが、結果として世の注目も集まり、朝日、毎日、読売の論壇面でもこの記事が取り上げられることになった。

 3つ目は、筆者がフリーランスだったから。小泉純一郎という政治家は、昔から雑誌やスポーツ紙にも自分の意見が載ることを重んじる人だった。支持の裾野がより広がるから、ということだろう。今回も、「若い無名のライターに、オープンに書かせる」というのは、ある種の小泉流のイメージ戦略でもあったと思う。

 インタビューの会場となったのは、東京・赤坂にある小料理店「津やま」。政財界の重鎮や大物芸能人がこよなく愛する名店だが、小泉氏にとっては政治の師・福田赳夫に紹介されて以来、40年以上も晩酌をしに通う〝台所〟である。筆者が約束の10分前に到着すると、純一郎氏はすでに一人で待ち構えていた。

 初対面にもかかわらず非常にざっくばらんで、何を聞いても包み隠さず話してくれたのが印象的だった。まず、緊張する筆者に対し、「あなたの書いた進次郎の本読んだよ。あれほど取材しているのは強いよ」とねぎらいの声をかけてくれた。

 おそらく多くの読者は街頭で大声を張り上げる純一郎氏のイメージが強いと思うが、実際の声は、思いのほか小さい。取材用のボイスレコーダーにきちんと収まっているのか、終始心配せずにはいられなかったほどだ。

 郵政解散の時、記者会見に臨む前に参加した経団連の奥田碩会長(当時)との会合で、日本酒を二合飲んだという逸話を明かした際に、「酒と女は二ゴウまで」という言葉がふっと出てきたり、趣味の短歌を幾つも披露したり、ユーモアとサービス精神も感じられた。

 また、「発表する前に原稿をチェックさせて」などと、三流政治家が我が物顔で注文してきそうな野暮なことは一切言わない。筆者も、彼の発言をまとめた原稿を事前確認ナシで「文藝春秋」新年号に掲載した。

 今回の書籍にあたっても、純一郎氏から電話がかかってきた際に「書籍にします」と切り出すと、「あぁ、いいよ。常井さんの名前で書くなら。お好きに出してください」という明快で歯切れの良い返事をもらった。筆者は、今回の仕事を通じて、現職時代の「小泉純一郎にオフレコなし」という評判は本当だったのだと痛感した。それぐらい「現役感」が溢れている。


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