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情報メディア綜合スレ

366とはずがたり:2017/05/27(土) 22:10:53

一部の音楽評論家やミュージシャンからはブルースの魂をハリウッドに売り渡す行為、ブルースを戯画化・安売りする行為との批判も出た。しかし、かれらの作品・ライブパフォーマンスに触れたことのある者であれば、そういった批判が的はずれであることにすぐに気がつく。それは単に器用なコメディアンがブルースをネタにコメディ映画をつくった、ブルースのパロディを演じた、という域を超えていたし、また逆にブルースへの情熱や趣味の世界への自己陶酔、自己満足という類のかくし芸的なノリとも一線を画していた。ブルースブラザースはR&Bへの深い敬愛の念とコメディアン・ライタとしての天才的なセンスとの奇跡的な融合によってのみ成しえたギフトだった。”ジョン・ベルーシはそんじょそこらのミュージシャンでは太刀打ちできないずば抜けたリズム感の持ち主だったよ。”ブルースブラザースとのツアーに同行したMGsのギタリスト、スティーブ・クロッパーはそう証言して表面的な批判を一蹴する。

こんな風に書くと、音楽的な要素ばかりが強調されがちだが、映画に関して言えば、ライターとしてのエイクロイドの、車・ポリス・ミリタリーオタクとしての暴走ぶり、悪乗りっぷりも大きな魅力のひとつといえる。オタク的こだわりとコミカルなスクリプトとのブレンドもこの映画の、しいてはブルース兄弟の大きな魅力になっている。ブルース兄弟とならんで主役級の存在感をみせるブルースモービル(要するに兄弟が劇中で乗りまわす車)。このブルース専用車に選ばれたのは74年型のダッジモナコ。イリノイ州警察の格安払い下げ品、という設定だった。よく見れば白と黒のツートン!。オールドスクール(時代遅れ?)なブルース兄弟の佇まいにこのくたびれた型落ちのフルサイズセダンをあてがうセンスは、それだけでも車好き、セダン好きをうならせるに充分なチョイスだったが、この車中で交わされる二人の会話は、またそれに輪をかけて”ブルース”だった。

映画は、弟のエルウッドがこの”ブルース専用車”で、刑期を終えて出所する兄を出迎えるシーンから始まる。 やっと出所したと思ったら、再びパトカー”みたいな”車での出迎えを受け、当然、不機嫌な兄貴とそれを全く意に介さない弟の会話がこんな感じで始まる。

(刑務所をあとにして街に向かう車中にて。。。 )
 兄: ”何なんだよ、こいつは。”
 弟: ”え?”
 兄: ”この車だよ。この、人をコケにした車。キャディラックは?あのキャディはどうした?”
 弟: ”え?”
 兄: ” 俺たちが乗ってたキャディに決まってんだろ!あのブルース専用車だよ。”
 弟: ”とっかえた。”
 兄: ”このポンコツとキャディをか?
 弟: ”いや、マイクと。”
 兄: ”マイク? ならまだわかる。でも、そんじゃ、このなめた車はなんなんだよ。”
 弟: ”これはお買い得だったよ。イリノイ州警察の払い下げオークションで手にいれた掘り出しものさ。何しろタダ同然だったんだから” 
 兄: ” そ-かい、相棒。ありがたい話だね。やっとムショから出れたその日に、杯を分けた兄弟分がポリ公の車でお出迎えしてくれるとはね。”
 弟: ”気に入ってないの?”
 兄: ”気にいらね。”


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