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情報メディア綜合スレ

265名無しさん:2016/07/31(日) 15:18:09
ドラマの宣伝だけど面白い。

http://gendai.ismedia.jp/ts/GB/netflix/index.html
一般的なイメージに反して、アメリカの大統領は何でもできる絶対的権力者ではない。
アメリカの建国者は「権力の分散」を意図した。連邦議会が思いのほか強い力を持っている。大統領に法案の提出権限はなく、議会を通過した法案を認めるか拒否するかしかできない。予算はすべて議会で作成される。立法は議員立法として大統領と無関係に選挙区利益で行われ、大統領は議員に法案への賛否を拘束する権限もない。
だから議会に「手足」を持たない大統領は脆弱だ。そういう大統領は議会工作に長けたベテラン議員に依存する。
連邦制のアメリカは50個の州という名の別々の「国」で構成されている。完全小選挙区制でもあり、議員の忠誠の対象は党ではなく、州と選挙区に還元される。アメリカの政党は弱いつながりしか持っていない。党議拘束もない。また、政党幹部は公認候補の指名権すら持っていない。予備選挙や党員集会で政党の公認候補を有権者が直接選ぶ。
候補者を誰が公認するか、選挙資源を誰が用意してくれるかが、議員の行動を決める。議会に戻れなければ政策は実現できない。再選を最優先に考えれば、選挙区に背いてまで党や大統領に忠誠を示し続ける意義は薄い。だからこそ、議会で法案を通す多数派工作には特殊な技術が要る。賛否を決めかねている議員に貸し借りをつくる政治取引を個別に行う。
「ハウス・オブ・カード」の主人公、フランク(フランシス)・アンダーウッドはその政治取引の達人である。南部サウスカロライナ州選出の民主党下院議員で、幹部職である院内幹事という設定だ。
フランクは議員の利害を把握し、それを巧みに利用する。猜疑心を用いて仲違いさせる。弱みを握られた人間は忠誠を尽くすしかなくなる。フランクは弱みにも無慈悲に付け込む。アルコール依存症の若手の下院議員、退役軍人の若手女性議員など、フランクは恐怖政治で言いなりになる「手足」を増やしていく。

渡辺 将人 Masahito Watanabe
1975年東京生まれ。北海道大学大学院准教授。シカゴ大学大学院国際関係論修士課程修了。早稲田大学大学院政治学研究科にて博士(政治学)取得。ジャン・シャコウスキー米下院議員事務所、ヒラリー・クリントン上院選本部を経て、テレビ東京入社。「ワールドビジネスサテライト」、政治部記者(官邸・外務省担当、野党キャップ)。コロンビア大学、ジョージワシントン大学客員研究員を経て現職。第4回アメリカ学会斎藤眞賞受賞。主著『見えないアメリカ』(講談社現代新書)、『現代アメリカ選挙の変貌』(名古屋大学出版会)、『アメリカ政治の壁』(岩波新書、近刊)。


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