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蟲づくし・禽づくし・獣づくし・魚づくし
480
:
名無しさん
:2015/06/20(土) 22:06:34
>>479
病院によっては、ほかのネコや、イヌなど他の動物と交流させたりすることも。また、エリザベスカラー(首の周りに装着するらっぱ状の器具)つけた状態で病院内を散歩させ、慣れてきたらカラー無しで散歩させるなどの工夫も行っている。こうして、早いネコなら1カ月、気性が荒いネコでも3カ月ほど経つとすっかりペット的ネコになるそうだ(マイケルは2カ月ですっかり人に慣れたという)。特別な訓練などではなく、日常的に接しネコに安心感を与えると自然とペット化する、これが“小笠原流ネコ軟化術”というわけだ。
これまで東京都獣医師会の元へ搬送されてきた小笠原ネコはすでに500匹を超えた。同獣医師会では年1回、小笠原を訪問し、イヌ・ネコを中心とした派遣診療を行っている。そして個体識別のためのマイクロチップを挿入し、ネコが脱走しても飼い主が突き止められるようになっている。さらに小笠原村や東京都など自治体、環境省、林野庁といった省庁、現地NPOなどでは、「猫を日常的に屋外で飼わない」「避妊去勢手術のメリット」など、適正飼養に関する情報を提示しており、室内飼いのためのテクニックを伝えたり、住民からの相談にも乗ったりしている。住民たちも飼い主会を結成し、適正飼養のためのルール作りやモラル向上に取り組んでいる。
ネコの捕獲や管理が本格的になってきてから、アカガシラカラスバトという小笠原にしか生息していない希少な鳥は目に見えて数を増やし(2006年5月の東京都の報告書によるとは小笠原諸島の推定個体数は40羽以下とされていたが、現在はNPO法人小笠原自然文化研究所によれば200羽以上に増えたと考えられている)、その成果は毎年父島・母島で開催されるイベント「あかぽっぽの日」で住民に報告されている。
官民で取り組んだ結果、今では住民が暮らす父島・母島に飼い主不明のネコはいなくなった。飼いネコの避妊去勢率は100%となっている。もう野生化ネコが増えることはない。ここに至るまでに10年近い歳月があった。やがて、小笠原から搬送されるネコもいなくなるだろう。
各動物病院で馴化されたネコは、今後、里親制度を確立させ、希望者に手渡すことになるようだ(現在は病院に来る患者さんや病院スタッフが主な引き取り手となっている)。里親制度が軌道に乗れば、あなたも“小笠原流”でおしとやかになったネコといっしょに暮らせるかもしれない。
(島ライター 有川美紀子)
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