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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

994とはずがたり:2014/05/08(木) 19:27:42
地元住民との合意形成なしには成り立たない

福島の復興を掲げるプロジェクトである以上、まず初めに地元住民の理解が欠かせない。漁業関係者との合意形成は特に慎重に進めた。

「原発事故が発生する前、福島沖は豊かな漁場だった。事故で致命的なダメージを受けた漁場に、この上巨大な風力発電施設を設置するなど論外。漁師にとって死活問題だ」
「調査と言っておきながら、いったん作業が進みだすと、途中で問題が起きても最後まで作業をごり押しするのではないか」

このような不安や不信を抱く漁業関係者に対し、石原教授たちは調査の段階から実証研究の段階に至るまで、粘り強く説明をし、“ステップ・バイ・ステップ”で地元の合意形成を得ていった。
海上のどの地点に施設を建設すべきかについても、漁業関係者の声を聞いた。彼らから出てきた要望は「沖合20kmぎりぎりのところ」だった。

「20kmというのは、当時の福島第一原子力発電所事故の警戒区域の半径でした。もちろん海でも、20km圏内には入れませんでした。そこで、20km沖に風車があれば、警戒区域の境界の目印にもなるということになり、いまの場所に落ち着いたのです」

福島県内の地元企業とは「お見合いもした」と言う。県内にどのような中小企業があるかをいわき市などの協力でリストアップし、コンソーシアムの参加者と共有した。その上で、風車の製造および風力発電設備の建設や維持のための要求仕様を地元の中小企業にも公開し、一緒に協力できないかを検討してもらうようにした。

建設は困難の連続だった

「運転開始まで、毎週のように計画を変更してきました。“想定外”の出来事が常に起きるといった感じでした」。石原教授は、運転開始までの道のりを、率直にこう振り返る。

浮体を係留するためのチェーンのリングは1個が210kgもある。それを1330個ほど連ねた巨大かつ長大な鎖を6本用意し、浮体と海底を結ぶ。ところがその1本が途中で、係留索を引き込むためのロープ(メッセンジャー)が切れ、海底に落ちてしまったことがある。安定性を保つための鎖なので、ねじれたまま繋ぐわけにはいかない。1個210kgのリングを連ねた巨大な鎖を引き上げるだけでも至難の業だ。それでも何とか作業船を使ってねじれを戻し、浮体に繋ぐことに成功した。そんな苦労を重ねながら工事は進められた。

2013年は、19年ぶりに30を超える台風が発生し、いくつもの台風が日本列島を直撃した。東日本と北日本を縦断した9月の台風18号や、伊豆大島に甚大な被害をもたらした10月の26号などだ。そのたびに福島沖は猛烈な荒海と化し、作業の中断を余儀なくされた。

石原孟教授「特に台風26号が近づいた時には、浮体式変電所の”ふくしま絆”はまだ作業途中であったため、喫水(水面から船底までの垂直距離)を32mと浅くしていました。完成していれば安定するため、一刻も早く50mに沈降させなければなりません。
ところが台風の接近とともに波はますます高くなり、浮体に船を近づけることは至難の業でした。荒れ狂う波をくぐり抜け船を操る漁師の方々の腕前に助けられ、何とか浮体に移り、それから一晩徹夜で作業して、明け方に無事沈降させました。台風26号がやってきたのはその直後です。間一髪のタイミングでした。

風車を載せる浮体を係留する工事は、日本で初めての試みでした。海底ケーブルも、陸から20km離れた現場まで引っぱって来なければなりませんでした。でも、いろいろな試練を乗り越え、最終的にチームワークで無事完成することができ、自信がつきました。まさに、実証を果たしたという思いです」

福島でモデルをつくりたい

日本の洋上風力発電の潜在力は莫大なものがある。環境省は東日本大震災後の2011年4月、日本における風力発電の導入ポテンシャル、つまり利用可能なエネルギー量を発表した。

風力の場合、陸上と洋上を合わせると18億5556万kW。日本の領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた面積は世界6位であり、四方を海に囲まれた日本は、うち洋上風力だけで15億7262万kWにのぼる。太陽光の1億4929万kWや、地熱の1420万kWなどの導入ポテンシャルとは桁が違う。
その莫大な潜在力を持った洋上風力がほとんど使われてこなかった。これだけあった“再生可能な宝”を、これまでほとんど使ってこなかったのだ。


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