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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

898とはずがたり:2014/04/13(日) 16:26:29
>>897-898
 ひとつの解決策として注目したいのは市民の共同出資による草の根のプロジェクトだ。秋田市内にある農地で1.6MWのメガソーラーを建設する計画が進んでいる。地元の企業が中心になって市民からの出資を募る一方、メガソーラーの運営に欠かせない除草や除雪の作業を地元の農業法人に委託する。できるだけ多くの発電量を得られるように、地域全体で事業の推進体制を作る。

 同様の市民参加型の発電事業は、すでに風力では県内の3か所で始まっている(図4)。秋田市で2か所、大潟村の隣の潟上市で1か所、いずれも1.5MWの大型風車を使って電力を供給中だ。市民の出資をもとに風力発電事業を展開する「市民風力発電」という会社が建設から保守・運営までを請け負っている。現在までに北海道と東北を中心に12か所の風力発電所を稼働させた実績がある。

 特に秋田の場合は条件が不利な太陽光発電には民間企業が投資しにくいことから、(もし増やしたいとするならば)自治体や金融機関がサポートする形で市民の共同出資による発電プロジェクトを増やしていく必要がある。

 秋田県には潜在的な再生可能エネルギーが豊富に眠っている。バイオマスと地熱も未開拓の部分が多い。

 バイオマスに関しては2008年度からの5か年計画で、国や自治体が支援して2つの実証事業が行われた。1つは県内で大量に出る稲わらを再利用して、燃料になるバイオエタノールを製造するもの。もう1つは名産の秋田スギの間伐材や加工後の残材から、同様にバイオエタノールを製造する事業である(図5)。

 製造したバイオエタノールは自動車を使って走行実験も実施した。実験場所は大潟村にある次世代自動車の専用道路「大潟村ソーラースポーツライン」である。実は冒頭に紹介した大潟村の風力発電所は、このソーラースポーツラインに沿って建設する計画になっている。

 バイオエタノールの実証事業は2012年度に終了して、今後の展開については明らかになっていない。県内に豊富にあるバイオマスを活用できる有効な方法のひとつであるだけに、実用化に向けた新たな取り組みの開始が待たれるところだ。

 地熱に関しても温泉で有名な湯沢市で2010年度に実証実験が行われている。地熱発電の可能性を調査するために井戸を掘削して、地下から蒸気と熱水を噴出させ、その量や温泉への影響などを調査した(図6)。分析の結果、地熱発電の対象として有望な場所であるとの評価を得ることができた。

 湯沢市には東北電力が運営する29MWの大規模な地熱発電所が稼働中で、潜在力は十分に証明されている。新たに地熱発電所を建設するプロジェクトの検討はいくつか進んでいるが、具体的な計画の発表はまだである(山葵沢>>883>>869,小安>>680>>714>>587)。地熱は天候に左右されずに安定した発電量を得られるため、原子力に代わる電源として期待は大きい。


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