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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ
702
:
とはずがたり
:2013/07/04(木) 16:12:37
>>701-702
今回のシェールガス革命によって、ガス価格が下がったことにより、GTLに乗り出す事業者が相次ぎ、アメリカのペトロケミカル業界は一変した。たとえばプラスチックや化学繊維の基礎原料であるエチレンは、石油由来のナフサや天然ガス由来のエタンを分解して作られる。
シェールガス革命以前、エチレン1トン当たりの原材料コストは、日本などのアジアでは1311ドルだった。アメリカで364ドル、原価に近い井戸元価格(油田やガス田、あるいはその集積所などでの取引価格)の石油が使えるサウジアラビアでは、207ドル程度だった。ところが今、アメリカGTLでシェールガスからエチレンを作るときの原材料コストは、1トン当たり39ドル。桁違いの安さである。
エチレンのみならず、合成ゴムのもとになるブタジエンやイソプレンなど、さまざまな基礎原料が、シェールガス革命によって破格のコストで作れるようになった。
“エネルギー多消費型”産業ほど恩恵がある
日本には東は鹿島から西は大分まで、石油化学コンビナートが存在する。日本のコンビナートの中核を成しているのは、輸入した原油を精製する精油所とエチレンから化学製品を作るエチレンプラントだが、アメリカから1トン39ドルのエチレンが出回るようになれば、日本のエチレンプラントは全く成り立たなくなってしまう。いくら生産性を改善してコストダウンを図っても、競争できるレベルではないのだ。
第1次石油ショックのときに、エネルギーコストが急上昇したため、日本ではアルミの精錬工場が軒並み潰れた。以降、日本のメーカーはアルミのインゴット(鋳塊)を海外から買って、窓枠などの最終製品だけを作るようになった。
シェールガス革命が、日本にも波及すれば、ペトロケミカルの世界でも同じことが起こる可能性が高い。今後、日本の化学会社が生き残るためには、原料素材も樹脂ペレットのような形で輸入して、そこから先のプラスチック製品を作るなど、生き残れる分野の選択を進めるしかない。となれば、燃料の精製から中間財の生産までフルセットで抱えた日本の石油化学コンビナートは無用の長物になる。
日本とは逆に、シェールガス革命がもたらしたエネルギーコスト、原材料コストの大幅な低下によって、今、アメリカでは製造業における国内投資と生産の拡大が急ピッチで進んでいる。ダウ・ケミカルやシェブロン・フィリップスなど大手化学メーカーがエチレンやプロピレンプラントの新設を予定しているほか、鉄鋼、肥料、繊維業界などでも投資が拡大している。そうした“エネルギー多消費型”の産業ほど、シェールガス革命の恩恵をてきめんに受けるのだ。
さらに、多国籍企業化してアメリカを出ていった企業までアメリカに戻ろうという動きも起こりつつある。日本のメーカーにしてもアメリカやカナダなどに工場を移転して、安いシェールガスの供給を受けなければ競争力が保てないという時代が、やってくる可能性は高い。
では、工場を移転しなければ、どうなるか。シェールガス革命の恩恵を受けた安価な産品が日本にどっと流れ込んでくるだろう。TPPから農業を守るどころの話ではなくなってしまうのだ。現時点で、日本ではアメリカほどの騒ぎになっていないのは、冒頭に述べたように、シェールガスがまだ歴史の浅いエネルギーだからである。
石油化学産業にしても、長年、石油のクラッキングで成り立ってきたわけで、1000億円規模の建設コストが必要なGTLの設備が充実するまでには、時間もコストもかかる。ただし、100万BTU当たり3ドルという破壊的なガス価格の低下を前
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