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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

4655とはずがたり:2023/02/13(月) 17:13:35
>>4654-4655
ところで、ハイテクな雪発電は画期的だが、日本でも「雪氷熱」を利用する取り組みが行われている。寒冷地の負担となっていた雪の処理だが、逆に雪や冷たい外気を使い作った氷を保管し、夏場冷房や冷蔵に利用するものだ。

北海道美唄市の農協、JAびばいは、玄米を5℃の低温で貯蔵する施設「雪蔵工房」を擁する。国内最大3,600tの貯雪量を誇る玄米貯蔵施設。春先の雪を貯蔵室に蓄え、雪が0℃で融解するエネルギーを活用する。全空気式雪冷房により庫内を温度5℃、湿度70%の低温環境として新米の品質を保つという。消費電力は従来に比べ1/2以下という、省エネ施設だ。

また、北海道帯広市でマンゴーを栽培する、株式会社ノラワークスジャパンは、夏は、3,000tの貯雪による冷房、冬は地中熱を利用した暖房、と季節ごとに再生可能エネルギーを有効活用し、温室の温度調整を100%賄う。温室内で夏と冬の季節を意図的に逆転するという、独創的な技術で冬でもマンゴーを生産することが可能になった。

地中に蓄熱するという技術は従来からあったが、独シーメンスグループの風力発電会社が開発したこの技術もユニークだ。「岩石蓄電」がそれ。岩石を熱してエネルギーをためる蓄電システムで、2022年にも商用化するという。既に2019年に130MWh(メガワット時)の実証プラントを稼働させている。プラント内部には総重量1000トンに上る岩石が貯蔵されており、3000世帯1日分の電力を貯めることができる。

システムはシンプルだ。Electric Thermal Energy Storage(ETES)と呼ばれるこのシステムは、送電網から電力を引き出し、熱エネルギーで火山岩を600°C以上の高温に加熱して蓄熱し、電力ピーク時は、その熱で蒸気タービンを回し発電する。

太陽光発電や風力発電などは、発電量が天候に左右されてコントロールするのが難しく、電力が余った時に蓄電し、不足時に放電する、大規模な「電力系統用蓄電池」が必要だとされている。我が国でもNAS電池などを使った実証実験が行われているが、岩石は極めて安価であり、手に入りやすい事から有望な蓄電材料であろう。

いずれにしても、日本はこれ以上化石燃料依存度を増やすわけにはいかない。CO2削減の切り札である再エネの比率をどう高めていくのか、世界の技術開発競争に乗り遅れるわけにはいかない。

安倍宏行 Hiroyuki Abe
安倍 宏行 / Hiroyuki Abe
日産自動車を経て、フジテレビ入社。報道局 政治経済部記者、ニューヨーク支局特派員・支局長、「ニュースジャパン」キャスター、経済部長、BSフジLIVE「プライムニュース」解説キャスターを務める。現在、オンラインメディア「Japan In-depth」編集長。著書に「絶望のテレビ報道」(PHP研究所)。


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