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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

3841とはずがたり:2018/12/29(土) 11:38:39
プロジェクト名:H2FUTURE
場所:墺国・製鉄所内(Voestalpineフェストアルピーネ社)
規模:6MW(プラント供給:Siemens)
完成予定:2019年
電源:水力発電(Verbundフェアブント社)
水素利用:製鉄所の還元剤・電力系統安定化

世界最大級6MWの水素製造プラント、電力貯蔵と製鉄のCO2を削減
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1702/10/news041.html

ヨーロッパの電力会社や製鉄会社が共同で世界最大級の水素製造プラントの建設に乗り出す。オーストリアの製鉄所にプラントを建設する計画で、2019年の運転開始を見込んでいる。再生可能エネルギーによる電力を使ってCO2フリーの水素を製造しながら、電力の貯蔵と製鉄に水素を活用する。
2017年02月10日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 オーストリア北部のリンツ(Linz)市で世界最大級の水素製造プラントを建設するプロジェクトが始まった。大手製鉄会社のフェストアルピーネ(Voestalpine)が運営する製鉄所の構内に建設する。オーストリア最大の電力会社フェアブント(Verbund)と送配電会社のオーストリアンパワーグリッド(APG)、さらにドイツのシーメンス(Siemens)が加わって有力企業による連合体で取り組んでいく。

 このプロジェクトは「H2FUTURE」と名づけられ、2017年1月から2021年6月まで4年半をかけて実施する。テーマは3つある。第1に再生可能エネルギーの電力で水を電気分解して、CO2(二酸化炭素)を排出しない水素を製造する。第2に水素を製造・貯蔵することによって電力の安定供給を図る。第3に製鉄のプロセスに水素を適用してCO2を削減する。

 水素製造プラントは最大6MW(メガワット)の電力から水素を製造できる。2019年に完成する予定で、世界で最大級のCO2フリー水素の製造プラントになる見込みだ。水素製造装置にはシーメンスの技術を採用する。…

 シーメンスの最新の水素製造装置は1台あたり最大1.25MWの電力を使って、1時間に225Nm3(ノルマル立方メートル)の水素を製造できる。この製造量は燃料電池自動車4.5台分に相当する。オーストリアに建設する水素製造プラントに同じ能力の装置を適用した場合には、1時間あたり燃料電池自動車21.6台分のCO2フリー水素を製造することが可能になる。

 水素の製造に利用する電力は、フェアブントが運営する水力発電所を中心に供給する。フェアブントはオーストリア国内で合計7700MWにのぼる水力発電所を運営するほか、風力発電を含めて再生可能エネルギー主体の電力を供給してCO2の削減を推進している。

水素を使うと製鉄のCO2排出量を減らせる
 オーストリアで始まったH2FUTUREプロジェクトでは水素製造プラントの稼働後に、約2年間にわたって実証事業に取り組む計画だ。水素製造プラントを送配電ネットワークに接続して電力の安定化を図りながら、製造した水素を製鉄のプロセスに適用してCO2の削減効果を検証する。

 製鉄には原料の鉄鉱石から酸素を除去する必要があり、一酸化炭素を使って酸素を除去する方法が一般的である。しかし同時にCO2を排出するため、製鉄業における温暖化対策の重要な課題になっている。一酸化炭素の代わりに水素を使って酸素と反応させれば、排出物は水だけになる。日本国内でも水素と一酸化炭素を組み合わせてCO2の排出量を削減する製鉄プロセスの研究開発が進んでいる。

 もう1つの実証テーマである電力の安定化は、送配電会社のAPGが中心になって取り組む。電力の需給バランスに応じて水素を製造しながら、揚水式の水力発電と組み合わせた効果も検証する予定だ。… 再生可能エネルギーの電力を使ってCO2フリーの水素を製造・貯蔵する方法は環境に対する負荷が小さい。しかも貯蔵量を柔軟に調整できるうえに、長期にわたって貯蔵し続けることが可能だ。貯蔵した水素を燃料電池に供給すれば、再びCO2フリーの電力に転換できる。

 H2FUTUREプロジェクトには水素製造プラントの建設費を含めて、総額で1800万ユーロ(約21億円)を投じる予定だ。このうち3分の2にあたる1200億ユーロを、欧州委員会(European Commission)が主導する「FCH JU(燃料電池・水素共同事業)」から拠出する。FCH JUは燃料電池・水素エネルギーに関する研究開発と普及促進を目的とした官民共同の組織である。

 日本でも経済産業省が中心になって水素エネルギーの製造・貯蔵・輸送・利用をテーマに技術開発を推進している。福島県内に10MW級の水素製造プラントを建設するプロジェクトを計画中で、2020年に運転開始を見込んでいる。


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