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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ
3274
:
とはずがたり
:2018/05/22(火) 14:20:35
10年には、太陽光、風力、太陽熱発電設備について、買い取り価格が引き下げられ、買い取り対象時間に上限値が設けられた。さらに、送電網の接続費用の引き上げが行われた。12年1月には新設設備へのFIT制度の適用中止が発表され、全ての販売電力量に対し7%の新税が導入された。
13年2月にはFITよりも事業者に有利とされた市場価格への上乗せ制度が廃止され、消費者物価指数での調整制度が見直された。7月にはFITが遡及し廃止されることが発表された。事業者はFITに代わり、その資産に対しスペイン国債の利率に3%をプラスした税前収益を保証されることになった。収益率は税前7.5%、税引き後5.5%とされたが、遡及での廃止に対し事業者からは訴訟が相次ぐことになった。
あまりに大きな再エネ政策の負担額
消費者の負担額を軽減していたにも拘わらず、スペインの家庭用と産業用の電気料金は値上がりを続け(とは註:実際は電力会社と消費者の双方で負担をする形だったということか。)、14年前半の時点でそれぞれ1kW時当たり22.5ユーロセント(34円)と15ユーロセント(23円)に達している(とは註:日本は?電気料金の国際比較は例えばここ
http://criepi.denken.or.jp/jp/serc/discussion/download/14002dp.pdf
2009年辺りを境にスペインの料金は確かに上がっている。一方物価補正するともうちょっと前から上がっている。スペイン政府が再エネ比率を高める様に決めた2004年ぐらいか?)。図-2の通りだ。消費者が負担すべき額が上乗せされていれば、電気料金はさらに上昇していたはずだ。
http://tohazugatali.dousetsu.com/news/img_ffdad77f36f0b83ff47b9c7e112b5d4a109091.jpg
スペインの2013年の電源別発電量は図-3の通りであり、風力20.2%、太陽光3.0%、太陽熱1.7%になった。この発電量のために使われた補助金額は年間80億ユーロ(1兆2000億円)を超えており、国内総生産額の約1%に相当する。12年の段階で、再エネ導入のために使われたが、消費者から回収されていない金額は260億ユーロ(3兆9000億円)に達していた。何も対策が取られない場合には、13年だけで、さらに105億ユーロ(1兆5800億円)が積み上がるとみられていた(とは註:日本の導入規模や負担額と比較してどうなの?スペインの規模以下に抑えることでバランスとれた導入できる可能性は?)。
http://tohazugatali.dousetsu.com/news/img_62e57d687999f47a4adc0ce6bf0bd90d116215.jpg
スペイン政府は、この金額を縮小するために税の導入、接続費用の増額などの措置をとったが、今後発生する未回収費用と今まで累積している赤字額を解消するために、今後電気料金あるいは税金の形で、消費者の負担が増えていくことになる。
再エネ導入が可能だったスペインの特殊事情
スペインの国土の形状は円に近い。送電線網も当然円状になっており、日本列島の送電網とは異なり不安定な再エネの電源を吸収しやすい形だ。それでも、再エネの導入量増加に伴い送配電のコストは上昇しており、05年から13年にかけ1kW時当たり60%増えた。この増えた額の一部も未回収費用になっている。送電線はフランス、ポルトガルに加え、北アフリカにも連携しており、再エネの電気が余った時には輸出も可能だ(とは註:スペイン成功の秘訣は送電罔ではなく予測と対応策にあるという記事もある
>>1121
)
14年上期のスペインの最大電力需要は2月27日に記録された4028万kWだった。一方、スペインの13年末の発電設備量は、その2.5倍の1億228万kWある。予備率は150%だ。日本の今年の冬の予備率は電力会社によっては3%しかない(とは註:系統全体の視野がないのか?)。スペインの発電設備には大きな余剰があり、凪あるいは突然の雨などにより再エネからの発電が止まってもどこからでも直ちに送電することが可能だ。
スペインが大きな余剰設備を持つことになった理由の一つは、電力需要がリーマンショック以降の不況により低迷していることだが、効率の良いコンバインドサイクルの建設に対し政府により出された補助金も設備が大きく増えることを助けた。政府は余剰設備の縮小のために補填を行うことを決め、また余剰設備活用のためにフランスとの連携線を強化し電力輸出量を増やすことでフランス政府と合意した。
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