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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

2952とはずがたり:2017/05/16(火) 13:03:48
>>2950-2952
 もっとも、これでは売電と日中の自家消費の関係などは分からない。そこで改めて先ほどのエコめがねの2016年1年間でのデータを見てみると「発電でまかなえた電気」というものも表示されている。それが22,250円となるから年間で117,898円儲かったと計算できるわけだ。

 ではこれが12年だから、ざっくり140万円儲かったのかというと、そうもいかない。48円での買取がスタートしたのは2009年11月からであり、2005年1月〜2009年10月の約5年間はその半額だったわけだから、そこを考えると概算で128万円。どう考えてもまだまだ元は取れていないということになる。

■発電した電気を自家消費する流れに

 さて、ここからが本題。まだまったく元が取れていない状況ではあるが、インセンティブということであった1kWhの単価での買取が2019年10月を持って終了するのだ。その後、いくらになるのかはまったく明らかになっていないが、市場での電力調達価格のあたりになるだろうといわれている。JPEX=一般社団法人 日本卸電力取引所の4月26日のデータを見ると、日中の太陽が出ている時間帯で1kWhあたり6〜8円程度。

 この単価での売電となれば、現在の1/8〜1/6の価格となるわけで、収入はまったく見込めなくなる。というより、一般の買電単価が26円なのだから、電力会社が暴利をむさぼっているというようにも見えるわけで、これなら売るよりも使ったほうが圧倒的に得ということになる。また可能であれば、買電せずに蓄電して、夜間に使うようにするのが賢い電力の使い方ということになる。

 実は、そうした動きはFITが終了してきているドイツなどでは当たり前のものとなってきている。発電した電気をできる限り自家消費する流れだ。テスラがパワーウォールという激安の家庭用蓄電システムの販売を始めているが、こうしたものと太陽光発電をどう組み合わせるかが、これから大きなテーマになってくるはずで、これにマッチした便利で手ごろなシステムが登場してくれることを期待しているところでもある。

 気になるのは、買電単価のさらなる低下で、太陽光発電を導入する家庭が減ってしまうのでは……という懸念。住宅メーカーでも最近はZEH=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスが大きなキーワードになっており、ソーラーパネルを屋根に付けるのが主流となってきているのはいいのだが、それに水を差すようなことにならないかが心配なところ。

 増えたといったって、太陽光発電は国内電力の数%しか賄えていないので、まだまだ増やす必要があると思うが、新設が止まってしまったり、稼動済みのものが破棄処分になってしまうのはマズイ。FITが終了するのは、当面は10kW以下の家庭用であり、事実上は5kW以下が大半なので、まだそれほど大きい問題ではないかもしれないが、2032年以降にはメガソーラーや筆者が行なっている50kW以下の発電所なども対象になってくるため、それを維持し続けられるのかは重要な問題になってくる。しかもこれら産業用の場合は、そもそも自家消費という考え方は存在しないため、事業として成り立つのか、というのが最大のテーマになるから、ますます深刻なのだ。

 パワコンの修理・交換ということはあっても、パネルのほうは20年経過しても、大きな問題もなく使い続けられることはほぼ間違いないが、オーナーがそれを維持するモチベーションを持ち続けられるのか。2019年のFIT終了後、制度としてどのようにしていくのは、今後の大きな試金石となりそうだ。

家電 Watch,藤本 健


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