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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ
2603
:
荷主研究者
:2016/12/30(金) 12:28:41
>>2602-2603
続き
【重なる思い】
北都銀の町田睿(さとる)会長もUターン組だ。都市銀行、他県の地銀を経て09年に北都銀へ移ると、約40年ぶりの故郷は危機感がない「豊かさに慣れきったゆでガエル」だった。風力の可能性を知り「風は秋田の資源。地方再生に活用したい」と考えた。佐藤氏の思いと重なり、ウェンティ・ジャパンを設立した。
同社は県外企業と連携しながら不足する知見を補う。ただし、県外企業に事業へ出資してもらっても「地元がメジャー(主要)であることが、最大のこだわり」(佐藤社長)だ。潟上市の22基をはじめ40基近い風車建設を計画する。
「いずれ部品製造のクラスターを秋田に作りたい」と話す。風車には自動車と同じ2万点の部品が使われる。風車の設置が増えると、部品を建設地近くで生産する必要性が出てくる。交換部品の需要も定期的に発生するので、地元製造業の出番がやってくる。
秋田銀行は13年、県内5社と風力発電専業の「A―WIND ENERGY」(秋田市)を設立した。同行出身の千田邦宏社長は「秋田の気候は太陽光発電よりも風力に適している。地元資本だけで会社をやりたかった」と経緯を話す。また「5社には若者の就職の場を作りたい強い思いがあるはずだ。何かしらの形で波及すればいい」と願う。
【雇用の受け皿】
A―WINDは初プロジェクトとして潟上市に風車17基を建設し、19年から発電事業を始める予定だ。「5社は月1―2度会合を開いてやってきた。まずまずのスピード」と手応えを語る。
地元企業が取り組む効果が表れている。風車の設置増加に応え、日立パワーソリューションズは17年1月、能代市に風車の保守拠点を稼働させる。春には市内の高校生3人が入社予定だ。まだ小さいが、雇用の受け皿ができた。地域再生の羽根が回り始めた。
「秋田の風」推進者の一人の山本久博氏。洋上風力の設置場所を記した地図を広げる
■もう一人の推進者 海岸線・洋上風車1426基構想
秋田市内で美容室を営む山本久博氏も風力推進者の一人だ。美容師の傍ら地元ソーラーカーレースの発起人を務め、01年には自らソーラーカーを操ってシベリアを走破した経験の持ち主だ。
08年にNPO法人代表として、県内の海岸線に風車1000基を建てる構想を発表した。荒唐無稽と思われたが、実現に向け追い風が吹いている。「風の王国・男鹿」も山本氏の発案と人脈からできた事業だ。
山本氏は秋田沖での洋上風力の構想も打ち出した。海底の地形、漁場を調べると426基を設置可能という。「秋田にとって100年に一度のチャンス」と実現を訴える。洋上風力の建設地を書いた地図が、秋田の将来図かもしれない。
(2016/12/26 05:00)
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