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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

2574とはずがたり:2016/12/27(火) 18:24:42

2016年12月27日 13時00分 更新
蓄電・発電機器:
-30℃で動く「バインド電池」、家庭用から大規模まで
蓄電池には幾つかの弱点がある。そのうちの1つが、低温環境では動作しないこと。CONNEXX SYSTEMSによれば、リチウムイオン蓄電池と鉛蓄電池を内部で並列接続した「バインド式蓄電池システム」が、課題解決への解になり得るという。-30℃でも充電容量の70%を利用できたからだ。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

リチウムイオン蓄電池が動かない

 「当社が開発したバインド式蓄電池システムは-30℃の環境下でも自律的に放電でき、これまで導入が難しかった寒冷地で用途を開拓できるだろう」(CONNEXX SYSTEMS 研究企画室で室長を務める可知直芳氏)*1)。

 例えば乳牛を扱う酪農や融雪マット、オフグリッド気象センサーの電源に適するだろう。「当社は家庭用の蓄電池システムを製品化している。容量は4〜13.6キロワット時(kWh)だ。今回の研究成果を応用して、将来は北国の家庭用の蓄電池システムを実現できるのではないかと考えている」(可知氏)。

 蓄電池は低温環境下では特性が劣化する。例えばリチウムイオン蓄電池は低温環境下では内部抵抗が高くなるため、満充電であっても放電できない、使えない。「車載用の鉛蓄電池は-30℃であってもエンジンを始動できる。そこで、リチウムイオン蓄電池と鉛蓄電池を並列接続したバインド式蓄電池システムであれば、低温環境下でもよい特性が出せるのでないかと考えた」(可知氏)。

自律的に動作して安全性が高い

 バインド式蓄電池システムの模式図を示す(図1)。特徴は2つある。1つは内蔵する2種類の蓄電池が相互に自律的に1つの蓄電池として機能すること。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20161227BB_minsys_420px.png
図1 バインド式蓄電池の構成 リチウムイオン蓄電池と鉛電池を並列接続した。仮想セル接続方式と呼ぶ 出典:CONNEXX SYSTEMS

 自律的とはどのような意味だろうか。例えば電池システム全体が過充電状態に置かれたとき、リチウムイオン蓄電池単独では、高い電圧のまま推移する。危険だ。バインド式蓄電池であれば、イチウムイオン蓄電池から鉛蓄電池にエネルギーが移転する。過充電に対する耐久性が増す。

 もう1つの特徴は、システム構成にスケーラビリティがあることだ。「容量13.6kWhの構成では9つのユニットを用いる。これを900ユニットに拡張できる。容量は1メガワット時(MWh)まで高まり、40フィートコンテナに搭載可能だ。0.5〜1MWhのシステムの試験を他社が進めている段階であり、数MWh級も実現できると考えている」(可知氏)。

鉛やリチウム単体よりも優れるバイント式蓄電池

 バインド式蓄電池システムの性能を評価するため、鉛蓄電池だけ、リチウムイオン蓄電池だけの場合を用意。3種類の電池の特性を比較した。
 用意したのは出力電圧24ボルト(V)、容量40アンペア時(Ah)のリチウムイオン蓄電池サブモジュールと、12V、38Ahの鉛蓄電池。バインド式蓄電池システムでは、鉛蓄電池2台を直列接続し、この2台をリチウムイオン蓄電池と並列接続した。
 次に25℃環境下で、バインド式蓄電池システムの電圧が28.8Vに達するまで0.2Cの定電流で充電した。その後、定電圧充電に切り替え、あらかじめ定めた電流値に達するまで維持した。これで充電は完了した。

 その後、-35℃、-30℃、-10℃、0℃、10℃、25℃環境に12時間置いた。これが実験の初期条件である。残りの2つの蓄電池も同じ条件に置いた。
 実験の後半では、充電した電力(放電容量)の何%を実際に放電できたかを調べた(放電率)。
 すると、-10℃から25℃の範囲ではどの電池も同じ傾向を示した。-10℃では容量の90%を放電でき、25℃では100%放電できた。
 大きな違いが現れたのはそれよりも低温の領域だ。-30℃ではリチウムイオン蓄電池の放電率は0%、鉛蓄電池でも40%まで低下した。ところが、バインド式蓄電池システムは70%以上の値を示した。

鉛とリチウムが相互に助け合う

 バインド式蓄電池システムの優位性は何に由来するのだろうか。-25℃における放電曲線を分析したところ、放電当初は鉛蓄電池サブモジュールがほとんどの電流を供給し、次第に温度が上昇、放電後期には熱を得たリチウムイオン蓄電池サブモジュールがほとんどの電流を供給していた。2種類の電池が相互に自律制御した結果だと結論付けた。

 リチウムイオン蓄電池単体でも、低温環境下で利用することは可能だ。ただし、蓄電池部に加熱機構を取り付けたり、保護回路を工夫する必要がある。このような部品が必要ないバインド式蓄電池システムには、コスト優位性があるとした。


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