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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

2435とはずがたり:2016/11/02(水) 13:11:20
>>2434-2435
こういった急速な自然エネルギー電力の拡大につれ、ドイツが対峙していかなければならない課題もでてきた。国の南北をつなぐ送電線の強化・拡大がその一つである。送電線敷設による景観の悪化等を懸念する住民の反対運動もあり、ドイツの送電線拡大は遅延している。しかし昨年、送電線の地下埋設優先が決定されるなど、コスト上昇の懸念はあるものの、住民からの同意は得やすくなっていくだろう。

■再エネ法改正に対する反応

ガブリエル連邦経済エネルギー相は、「再エネ法はニッチな技術を支援するための法律だった。しかし、自然エネルギーは今日、電力市場の確固たる柱となっている」とした上で、再エネ法改正の必要性を強く訴えた 10 。また、エネルギー水道事業連盟(BDEW)のカプファラー代表は、自然エネルギーの拡大を「経済的に効率よく進めるべき」だとし、「再エネ法改正で計画されている競争的な入札への移行を歓迎する 11 」と、法改正に賛成の立場をとっている。

一方で、自然エネルギー推進派からは、改正法の内容を問題視する声が多い。例えば、ドイツ再生可能エネルギー協会(BEE)代表のヘルマン・ファルク氏は、改正法の可決直後、「改正再エネ法(EEG2017)によって行われる入札制度への移行は、分散型のエネルギー転換を明らかに後退させる。再エネ法はこれまで、クリーンなエネルギー拡大の原動力だった。それに対して、今日の改正は化石エネルギー源の保持と、エネルギー転換の速度の明らかな抑制につながる 12 」という見解を示した。また、市民がつくった自然エネルギーの電力会社、シェーナウ電力会社共同代表のセバスチアン・スラーデク氏は、改正法が「大規模なエネルギー会社に焦点をあてて、エネルギー転換の進展から市民を締め出す 13 」ものだと批判している。

■最後に

ドイツでは、固定価格買取制度の成功により、自然エネルギーが拡大し、市場競争力を持つようになってきた。こういった急速な変化は、電力システム全体の変革や、E.ONやRWEなど従来型の大手電力会社の分社化にみられるように、電力市場の再編をもたらしている。

今回の法改正は、このような状況下で、自然エネルギーの拡大速度をコントロールしつつ、ドイツのエネルギー転換を進めていこうとするものである。今後は、前述のコメントにもあるように、入札制度への本格的な移行により、自然エネルギーの伸びが鈍化すること、事業者の多様性がなくなっていくことなどが懸念される。エネルギー転換を確実に行うためには、状況を注視しつつ、必要な手立ては講じていくということになるだろう。そして、自然エネルギー拡大という観点からみると、日本で来年4月から始まる入札制度の設計は、充分慎重に実施されるべきであろう。


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