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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

2158とはずがたり:2016/04/07(木) 18:26:41
2016年04月07日 07時00分 更新
水素と燃料電池で小型バイオマス発電、廃熱回収で総合効率70%を目指す
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1604/07/news053.html

北海道電力と北電総合設計が木質バイオマスを活用したユニークな高効率発電技術の実証を開始する。木質バイオマスから得たガスを改質して「水素」を生成し、燃料電池で発電する仕組みだ。燃料電池の廃熱をガス化に活用して効率を高め、総合エネルギー効率70%以上を目指す。
[陰山遼将,スマートジャパン]

 北海道電力と同社のグループ企業である北電総合設計は地域に根ざした再生可能エネルギーの導入拡大に向け、2016年度から「小規模木質バイオマス発電実証事業」を開始する。北電総合設計が東京大学、日本森林技術協会と共同で林野庁の補助事業へ応募し実施する事業だ。

 一般的な木質バイオマス発電の多くは石炭火力発電と同様に蒸気タービン式の発電システムを採用している。しかし設備が小規模になると発電効率が低下するという課題があり、木質バイオマス発電市場の拡大を阻む1つの課題となっている。

 今回実施する実証は「小規模であっても高効率なバイオマス発電システム」の開発を目指すもので、原料に木質チップを使用し、さらに水素製造技術と燃料電池を組み合わせて効率を高めるというユニークなシステムとなっている(図1)。

http://tohazugatali.dousetsu.com/rk_160404_suiso01.jpg
図1 実証システムのイメージ 出典:北海道電力
 実証を行う発電システムの概要は以下の通り。まず木質チップを流動層ガス火炉に投入して、800〜1000度で熱分解(ガス化)する。愚痴に一酸化炭素と水蒸気を取り出し、改質器の触媒と反応させ水素と二酸化炭素を生成する。最後に生成した水素と燃料電池で発電を行う仕組みだ。

 この発電システムのポイントとなるのが燃料電池だ。使用するのは東京大学が特許を持つ燃料電池で、効率的に廃熱を回収できる機能を持つ。回収した廃熱は木質チップの熱分解利用することで、システム全体のエネルギー効率を高める狙いだ。発電出力は50kW(キロワット)程度となる見込みで、実証では発電効率50%、システム全体のエネルギー効率で70%以上の実現を目指す。このシステム全体については北海道電力、東京大学他で既に特許を出願している。

2019年度をめどに経済性を評価

 実証事業の実施場所は北海道虻田郡倶知安町。2016年度はまず木質チップを熱分解する流動層ガス化炉の構築に取り組む。その後、順次他の機器の実証や運転試験などを進めて、2019年度をめどにシステム全体の動作検証と経済性評価を実施する計画だ。

 実証事業の中核となる部分は北電総合設計、東京大学、日本森林技術協会が進める。事業全体の調整や流動化ガス化炉の開発は北電総合設計が担当する。東京大学はガスのデータ解析や、木質チップの熱分解により排出されるタールの処理方法などを検討していく。

 こうした技術的な部分の実証と平行して、日本森林技術協会が森林バイオマス資源の賦存量調査も進める。北海道電力は、事業化の検討や発電システムの系統連系、固定買取価格制度に関する情報提供を行うなど、事業全体のサポートを担う(図3)。

http://tohazugatali.dousetsu.com/rk_160404_suiso03.jpg
図3 実証事業の実施体制 出典:北海道電力

 北海道は日本の中でも特に森林資源が豊富な地域であり、木質バイオマス発電の燃料となる未利用材なども調達しやすい環境にある。今回の実証で取り組む小型かつ高効率な発電技術が実用化できれば、道内におけるバイオマス発電のさらなる拡大への寄与も期待できる。


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