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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1859とはずがたり:2016/01/18(月) 00:53:26
>ドイツでは原発2基分の電気をバイオマス発電から生み出しているが、初期のころはやはり大規模発電が優遇され、木材が供給不足に陥った。
>その後、小型化、熱利用に取り組む事業者に手厚い制度へ変更し、いまでは9割以上が500キロワット以下ともいわれる。


供給不足の木質バイオマス発電 ドイツ、米国に学ぶ解決策
http://dot.asahi.com/wa/2015102300019.html
by ジャーナリスト・桐島瞬 (更新 2015/10/26 07:00)

 チップ化した間伐材を燃やすなどして発電する木質バイオマス発電が日本ではここ数年増えた。固定価格買い取り制度(FIT)で1キロワット時当たり最高40円の高値が付いているためだ。しかし現状では問題があり、自然エネルギーの本来の特徴である「地産地消」のコンセプトが崩壊しかねないのだ。ジャーナリストの桐島瞬氏がその解決策を探る。
*  *  *
「日本ではバイオマス発電所に関するFITの議論をする際、5千キロワットクラスの規模の大きな発電所をモデルにしてしまった。そのため、この大きさを基準にバイオマス発電の市場ができてしまい、木材の供給不足が起きる原因が生じたのです。もっと小型化し、さらにボイラーでできた熱を活用し、エネルギー効率を高める必要があります」(シンクタンク研究員)

 解決策のお手本はドイツにある。ドイツでは原発2基分の電気をバイオマス発電から生み出しているが、初期のころはやはり大規模発電が優遇され、木材が供給不足に陥った。

 その後、小型化、熱利用に取り組む事業者に手厚い制度へ変更し、いまでは9割以上が500キロワット以下ともいわれる。

 一方、日本は小型設備がほとんどない上、ボイラーで大量のお湯を沸かした熱も捨てている。

 バイオマスコンサルタントのティーロ・シュミットセール氏が説明する。

「ドイツでは100〜250キロワットクラスのコージェネレーション(熱電併給)発電機が数多く普及し、電気は売電、熱は家庭用暖房や農業用などのエネルギー源として地域に還元されます。大規模なバイオマス発電システムを導入しても地域貢献にはならず、なにより発電のために木材を輸入するなんて馬鹿げているとドイツ人は学んだのです」

 伐採や搬出に関しても仕組みができていると話すのは、バイオマス発電を積極的に導入する独ザンクト・ペーター村のルドルフ・シューラ村長だ。

「山林のオーナーが機械を用意し、作業する人員を地域から雇う。どの木を伐採するかは『フォレスター』と呼ばれる公務員が全体を見ながら決めるため、乱伐にもならない。20年前は木材といえば家具を作るものだったが、いまは貴重なエネルギー源。私の村でも、住民の使用する3倍の電力をバイオマス発電が生み出しています。熱も活用され、村人は1年のうち9カ月間、恩恵を被っているのです」

 バイオマス発電機の小型化に関しては、米国も進んでいる。コロラド州のコミュニティーパワー社では、自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)製の排気量8.8リットルガスエンジンを使い、165キロワットの電力と熱を生み出す。木材チップに高熱を加えると、ガスができる。そのガスでエンジンを回して発電する仕組みだ。ガス化発電方式は小型化できる半面、燃料に余計なものが混ざるとトラブルを起こすことなどがネックだ。だが、同社のシステムで使える木材チップはココナツ、クルミなどを含め約50種類と豊富。今後はゴミも燃料として使えるようにする上、発生したバイオガスから軽油やジェット燃料も作り出すという。同社のウェイン・マクファーランドCEOは言う。

「ガス化発電方式の世界の主流は2千〜2万キロワットだが、小型需要の拡大を見込んで100キロワット程度のものを作る。日本にも最初の製品納入が決まったばかりだよ」

 山梨県下の郊外で太陽光発電施設の設置に取り組んできた吉田愛一郎氏も小型化のバイオマス発電設備を日本に普及させる計画で、コミュニティーパワー社とのパートナーシップを考えているという。

 国もようやく小型化発電設備の促進に舵を切り始めた。今年度からFITのバイオマスのカテゴリーを2千キロワット未満と以上に分け、2千キロワット未満をより優遇するようにしたのだ。

 だが、熱利用が考慮されていないなど、改善すべき点は多い。シンクタンク研究員はこう言う。

「日本も欧州の取り組みを参考に、総合的な法整備を進める必要があります。いまこそ長期的な目的を定め、しっかり議論をしていく土台を作るときなのです」

※週刊朝日 2015年10月30日号より抜粋


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