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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ
1764
:
とはずがたり
:2015/09/01(火) 14:56:25
>熱を利用しない木質バイオ発電設備は、木質資源を浪費している
>熱需要の大きな9月から5月にかけて。夏の間は、ゴミ焼却炉だけで地域暖房の熱需要が満たせる。
スイス、効率90%の木質バイオ発電
http://www.alterna.co.jp/5706
木チップを燃やして発電する木質バイオマス発電の発電効率は、一般的には約20%と高くない。だが、スイス・チューリヒ郊外にある木質バイオ発電所では90%という驚くべき数字を達成している。そのカギは、大量に発生する廃熱をいかに利用するかだ。
チューリッヒ市郊外にあるアウブルッグ木質バイオ発電所は、90%という高度なエネルギー利用効率を誇る。その秘密は木質バイオ発電設備から地域暖房や製材所、工場などに熱供給を組み合わせた「電熱併給」(コージェネレーション)で、スイスでは一般的な手法だ。
日本では都市ガスなどによる電熱併給は多いが、バイオマスの世界では普及していない。
2010年に運転開始した同発電所は、チューリッヒ州の電力会社と、チューリヒ市のゴミ処理会社、そしてチューリッヒホルツ社の共同出資で実現した。燃焼出力42メガワットの木チップボイラーを使い、年間2万世帯分の熱に相当する104ギガワット時と1万世帯分の電気38ギガワット時を生産する。
熱はチューリッヒ市北部の地域暖房網に供給、電気は国の固定価格買取制度を利用して売電する。売電価格は1キロワット時あたり20 ラッペン(約18円)で、日本で来年から始まる予定の自然エネルギー全量固定価格制度とほぼ同じ水準だ。
興味深いのは、同発電所がチューリッヒ市のゴミ焼却施設の中に設置されている点だ。スイスでは、ゴミ焼却から生じる熱を用いて発電と地域暖房を行っている。その熱源の一つに木チップボイラーが加えられたのだ。このボイラーが運転されるのは、熱需要の大きな9月から5月にかけて。夏の間は、ゴミ焼却炉だけで地域暖房の熱需要が満たせる。
同施設の年間チップ消費量は20万立方メートル。冬には、毎日トラック20台のチップが納入される。燃料となるのは、設備から50キロメートル圏内の間伐材や製材所の端材、造園業の剪定材。燃料の手配と安定供給は、発電所の20%の株主であり、地域の森林所有者から成るチューリッヒホル社が担当する。
熱を利用しない木質バイオ発電設備は、木質資源を浪費している。日本の木質バイオ発電も、電熱併給によって、エネルギー利用効率の向上が望まれる。(ベルン・滝川薫)
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