したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1750とはずがたり:2015/08/23(日) 23:39:45

 そのため接続枠と売電権利が取引の対象となったのである。各地で不動産業者やデベロッパーが太陽光発電の接続枠と売電権利を早々に確保し、それを企業や資本家が買い取って自社仕様にするために事後的に発電設備の計画に変更を加える、という形でいわゆる「メガソーラーバブル」が一気に広まっていった。

 具体的な数値を上げると、2012(平成24)年度に取得した売電権利は1MWあたり2000万円、2013(平成25)年度に取得した売電権利は1MWあたり1000万円程度が取引の相場だった。これに加えて1ヘクタールあたり100万〜200万円/年の土地の賃料が20年入るという具合だ。大体1MWのメガソーラーの開発には1.5ヘクタール程度の平地が必要なので、総額4000万〜8000万円の収入が入るという具合だ。一方の権利の確保にかかる元手はせいぜい数百万円なので、接続枠・売電権利の転売は破格においしい「濡れ手で粟」の商売だった(参考:JETROの引き合い案件データベース)。

 経済産業省はこうした転売市場を黙認してきたが、太陽光発電が増えてきて電力系統の接続枠が逼迫してくるようになると、売電権利と接続枠を売り渋って自社では事業を進展する気がない権利者による「空押さえ」が問題化してきた。そこで今回の改正では、接続枠・売電権利の転売を抑え込む方向に大きく舵を切っている。

 具体的には第一に、接続枠と売電権利の確定のタイミングを「接続契約の申し込み」から「接続契約の締結」を基準にすることとした。これにより自社で十分な資金を持つ主体でなければ、接続枠と売電権利の確保ができなくなった。

 第2に、事後的な設備仕様の変更を事実上禁止した。これによりこれまで接続枠・売電権利を買い集めてきた企業は、事後的にメガソーラーを自社仕様の発電設備にカスタマイズすることが許されなくなった。

 これらの措置により、少なくとも今後新たに売電権利を取得し転売することは困難となる。今後は濡れ手で粟のメガソーラーの権利転売というビジネスモデルは成立しなくなることが見込まれる。

「出力制御ルール」と「蓄電池の位置づけ」を明確化

 メガソーラーバブルの火消しとともに行われたことは、太陽光発電と風力発電という不安定な電源に対する出力制御の拡大と、蓄電池の位置づけの明確化である。

 まず、「出力制御」とは何かということなのだが、「電力会社が、再エネ供給事業者が発電した電気を電力系統に流さないように出力を抑制する」ということである。現状、大型(500kW以上)の太陽光発電または風力発電設備を電力系統に接続するためには、年間30日まで無補償で出力制御を受けることを認める必要がある。

 つまり、せっかくメガソーラーや大型風力発電を作っても、最大で年間30日の間、電力会社が電気を買ってくれない可能性がある、ということである。これは再エネ供給事業者にとっては大きな損失だ。

 さらに、これはあくまで「原則ルール」であって、追加的措置として「指定ルール」という枠組みがある。

 各々の電力会社には、上記の「原則ルール」に基づいて各種電源ごとに設定された“接続可能量の限界”が存在する。実際に受け入れている電源ごとの出力がこの接続可能量に近づいた場合、その電力会社は経済産業省から特別に「指定」を受ける。こうして「指定」を受けた「指定電気事業者」の管轄区域では、その日以降に接続をする発電設備に関して30日を超えて無補償で出力制御する「指定ルール」を適用することが認められている。

 発電が不安定で人為的にコントロールできない太陽光発電や風力発電は、出力制御されてしまうと事業の採算性が大きく落ちてしまう。そのため、メガソーラーや大規模風力発電事業を進める再エネ供給事業者にとって、この「指定」は死刑宣告に近い響きを持つ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板