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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1523とはずがたり:2015/03/05(木) 08:26:09
>>1521-1523
 そんななか驚異的な利益率の太陽光発電関連企業がある。香港市場に上場する漢能太陽能集団(HTF)だ。オーナーである李河君会長は、昨年のフォーブス誌では中国第5位の富豪とされていたが、2月3日に発表された中国胡潤研究院の発表では、アリババの馬会長を抜き1位となった。資産額は260億米ドル(3兆円)だ。 

 HTFの親会社は非上場の漢能集団だ。同社は水力発電、風力発電などに加え、薄膜太陽電池の製造、太陽光発電プロジェクトなども手掛けている。HTFは薄膜太陽電池を製造する機器を製造販売する企業だ。1月28日付け英フィナンシャルタイムズ紙は一面トップでHTFの経理は尋常ではないと報じた。

世界一位の太陽光企業の実態は

 フィナンシャルタイムズ紙によると、漢能集団は市場価値で世界一の太陽光関連企業だ。上場子会社HTFの市場価値は180億米ドル(2兆1000億円)と報じられている。殆どの太陽光関連企業の株価はこの1年間で下落しているが、HTFの株価は急上昇しており、14年1年間で3倍になった。

 フィナンシャルタイムズ紙の調査によると、HTFの2010年からの売り上げ148億香港ドル(2200億円)のほぼ全ては、株式の73%を保有する親会社漢能集団への機器販売によるものだ。そのうち35%は決済されているものの、残りは未収金で計上されている。要は、支払いは行われていない。12年のHTFの売り上げは3億4700万米ドル(400億円)だが、フィナンシャルタイムズ紙の調査によると、同じ年親会社のパネルの売り上げは5000万米ドル(59億円)しかなく、しかも赤字だった。要は、売り上げは親会社向けにあるが、大半の支払は行われておらず、本当に利益が出ているのか怪しいということだ。

監査されていないHTFの14年前半の中間報告者を見ると、売り上げ32億香港ドル(480億円)に対し税前利益額は21億香港ドル(320億円)もあり、異常な利益率の企業だ。売掛金の残高は売り上げのほぼ2倍62億香港ドル(940億円)もある。常識では考えられない数字だ。

 HTFは、1月31日に自発的に説明するとしてホームページに財務内容に関する情報を掲載したが、フィナンシャルタイムズ紙の疑問に対しては何ら答えていない内容だった。その一方、株価維持のためか相次いで新事業を発表する。1月30日に薄膜技術を持つ企業を買収したと発表する。しかし、親会社から買収しただけの話で内容はない。2月4日には新たに電気自動車の製造を行うと発表する。これらの策が功を奏したのかフィナンシャルタイムズ紙の報道により株価は一時下落したものの、その後は下落分を上回る上昇を見せている。

早急に再エネ政策の転換を

 欧州諸国のFIT導入目的の一つは、グリーンビジネス創出にあった。しかし、大きな分野の一つである太陽光ビジネスで、中国企業に敗れたことは明白だ。米国のように、輸入を阻止し、その一方で補助金政策を採用しない限りグリーンビジネスを創出することは難しい。その米国も、やっと国内の生産能力減少に歯止めをかけた状況だ。決算が正しく行われているかどうかも分からない中国企業と競争するのも簡単ではない。

 日本も、いい加減FITに関する幻想を捨て、再エネ導入の目的をよく整理し、目的達成に必要な真の政策をよく考えるべきだ。自給率向上、温暖化対策であれば原子力のほうが、費用対効果が高いだろう。環境ビジネスを作り出すには、米国のような補助金政策が有効かもしれない。少なくともFITの費用対効果は低いことは欧州で実証されている。電気料金上昇が生活と産業に与える影響は大きい。一日も早い政策の転換が必要だ。


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