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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1226とはずがたり:2014/06/30(月) 19:41:37
>>1224-1226
 環境省の調査によれば、国内の産業廃棄物焼却施設は1414カ所あり、そのうち、69%が廃熱を利用していない。さらに23%は廃熱を利用していても発電はしていない。発電を実施しているのはわずか7%(106件)だけだ。市町村などが設置したゴミ焼却施設の余熱利用も少ない。1269カ所のうち、廃熱を利用していないものが33%、利用していても発電していないものが43%、発電しているのは24%だけだ。

 「当社のシステムはどちらの施設にも全て対応できると考えている。米国では廃棄物は埋め立て処理(land-fill)される。日本はゴミ焼却では世界最大規模だと考えており、焼却炉市場が大切だ」(Access EnergyでManaging Directorを務めるHerman Artinian氏)。

 同社は、日本で開発が可能な地熱発電能力を3700MWと見積もった。そのうち、33MWは熱源が120℃以上であり、Thermapower技術で全てまかなえるという。850MWは熱源の温度が55〜120℃であり、同社の技術で50%はカバーできると見積もった。それ以外の2817MWの市場のうち5%も適用可能だという。

 産業廃熱市場は工業用ボイラーが規模としては大きいという。同社はセメント工場にも期待を見せた。

磁気軸受けが信頼性の鍵

 Thermapowerの利点のうち、量産設計と設置の容易さに関する主張は分かりやすい。Access Energyはもう1つの特徴として高い信頼性を挙げる。高信頼性とは何だろうか。

 「このような発電機の信頼性を下げるのはギアや潤滑材、シール材などだ。Thermapowerではいずれも使用していない。この装置は発電部分のタービン(Carefree Integrated Power Module:IPM)の設計に鍵がある(図5)。IPM内部の回転部分は磁気軸受で保持されており、無抵抗で回転動作する。このため信頼性が高まる。装置を起動して数分以内に2万6000rpmに達する。あたかも家電であるかのように容易に起動する」(第一実業)。

 図5の発電部分(Genertator)に隣接している左右の円盤状の部分が磁気軸受だ。

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図5 IPMの構造。出典:第一実業

 Access Energyの親会社であるCalnetix Technologiesは磁気軸受の技術を持っており、これを適用したと考えられる。同社の磁気軸受技術は動的制御に基づく。タービン内部の回転部分の位置をセンサーで測定し、それに応じてリアルタイムに磁気の強さを変えることで安定した回転を維持できる。

 冒頭で触れた山梨県の実証実験では、設置後の積算発電量が22万1500kWhに達した(図6)。積算時間は3382時間であり、実稼働率は90%以上、平均発電能力は65kWだ。毎時68m3の温水を使っている。

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図6 山梨の実証実験の結果と現場の様子。出典:第一実業
 なぜ、高信頼性をうたっているのに実稼働率が90%なのだろうか。「設置現場はゴミ焼却プラントであり、空中のダストが多い。ダストを施設のクーリングタワーが吸うため、クーリングタワーの清掃が欠かせない。このとき、Thermapowerを停止し、稼働率が100%にはならない。Thermapower側の原因で稼働率が下がることはないと考えている」(第一実業)。

低温対応が最も望まれる

 Thermapowerの出力は125kWだという。では山梨で65kWと低い理由は何だろう。「バイナリー発電では熱源の温度が高いほど出力が高まる。山梨の場合は焼却施設の排ガスから熱回収した99℃の湯が熱源だ。周辺部を改良したとしても70kW出力が限界だ。Thermapowerの定格出力125kWを得るためには135℃の蒸気が必要だ」(第一実業)。

 低温になればなるほど、ユーザーの数も増える。バイナリー発電では低温対応のニーズが強い。そこでAccess Energyは量産対応のモジュールという方針を維持しながら、最適熱源温度を135℃から95℃へ、さらに80℃へ下げた製品を開発中*7)だ。いずれも出力は125kWのままである。

*7) 同社によれば作動流体を変更せず、作動流体を高速に循環させ、循環量を増やす他、タービン部分の最適化で実現するという。

 95℃対応のThermapower 125XLTは、2013年第3四半期に出荷を開始、80℃対応のThermapower 125ULTは2014年第2四半期だ。「山梨の実証実験でも2013年9月ごろに低温対応品と装置を入れ替えて効果を確かめる予定だ」(第一実業)。


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