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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1128とはずがたり:2014/06/21(土) 18:20:01
>>1127-1128
国の除染事業では生活圏から20メートル以内の森林も扱っているが、表土は削らず、落ち葉集めや常緑樹の葉を刈り取ることに限定している。

さらに、小沢氏は森林除染の作業中の被ばくを問題視する。「森林には毎時数十マイクロシーベルトの汚染箇所もあり、そこでの作業は線量管理が必要になってくる。果たして、広大な面積を扱うのに作業員の確保もできるのか」

排出ガスを通すバグフィルターの機能についての否定的な声もある。

環境運動家の関口鉄夫氏は「バグフィルターにより、放射性物質は99.99%を除去できるとうたわれているが、PM2.5などの微小粒子状物質は通ってしまう。フィルターを洗浄すると集じん効果も落ちる。フィルターの安全性を過大評価している」と指摘する。

たまる焼却灰の処分も課題になる。1キロ当たり8000ベクレル超の灰(指定廃棄物)は国が処分するが、最終処分場が見つかっていない。福島県内ではすでにその量は6万6000トンに上り、保管場の確保にすら苦労している。

バイオマス発電所を稼働させれば、さらに灰が増えることになる。環境省の指定廃棄物対策チームは「濃度が高ければ、保管するしかない」としており、抜本的な解決の糸口は見えていない。

県の構想ではこれから4カ所の新設場所を検討するが、建設計画が決まった塙町では住民の反対運動が起きている。

塙町の発電所の総事業費は約60億円で、半分が復興交付金、残りを民間事業者が負担。年間発電量は一般家庭1万4500世帯分の使用量にあたる。燃料の木材は年間11万2000トン、焼却灰は同11万トンに上る。

反対派住民らで組織する木質バイオマス発電問題連絡会事務局の農業吉田広明さん(57)は「高濃度の灰が漏れて、地下水が汚染されたらどうするのか。米作りもできなくなり、死活問題になる」と不安を深める。

吉田さんは「塙町は最初、町内から出た間伐材だけを燃やすと言っていたのに、途中から『県中』 『県南』 『いわき南部』の間伐材も燃やすと言い始めた。何が本当なのか分からない」と、町の説明にも疑問を持つ。

藤田一男町議(66)は「町は説明会もこそこそやっている印象だ。発電所を稼働する以前に、説明の段階で不信が募っている」と現状を語る。

塙町まち振興課の天沼恵子課長は「原発事故前から、発電所を計画していた。当初から、間伐材を運んでくる対象地域は変わっていない。安全対策は万全だ」と、反対派の主張を一蹴する。

前出の小沢氏はこう指摘する。「バイオマス発電は莫大な予算が付くから、自治体や企業が飛びついている。しかし、単にメリットが重なり、組み合わせがいいからやってみようと進めることは拙速だ。技術的な問題などを含めて、住民に情報を十分公開したうえ、時間をかけて議論していく必要がある」

[木質バイオマス発電]
木材をチップ状に加工して発電燃料にする。石油などの化石燃料よりも二酸化炭素の増加を抑えられるため、再生可能エネルギーとして注目されている。昨年7月に導入された「固定価格買い取り制度」で、事業として成り立つ可能性が高まった。林業の再生や雇用創出効果への期待もある。

[デスクメモ]
人の時間軸とセシウム137のそれとでは隔たりがある。森林除染をめぐる賛否は、そのどちらを重視するかの違いでもある。どちらにせよ、妥協の産物でしかない。首相は「風評被害をぬぐうことに全力」と言った。住民の苦悩は風評のせいのみではない。汚染という事実を「風化」してはならない。


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