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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1118とはずがたり:2014/06/14(土) 21:14:49
>>1117-1118

どのような電池なのか

 今回電気自動車に搭載した電池モジュールの寸法や重量は公開されていない(図2)。モジュールの推定重量は約50kg。約20cm角のアルミニウムを主成分としたパネル(電池セル)を50枚搭載しており、モジュール全体の長さは100cm近くあるようだ(図3)。Alcoaの説明によれば、パネル1枚当たりの走行可能距離は約32km。パネルごとに「ガソリンスタンド」で交換する形を採る可能性もあるとした。


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図2 車体後部に搭載されたアルミニウム空気電池 出典:米Alcoa

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図3 アルミニウム空気電池モジュールの外観 出典:米Alcoa

どうやって実現したのか

 金属空気電池の概念自体は広く知られている。例えば、空気亜鉛電池は100年の歴史があり、現在でもボタン電池として広く使われている。空気亜鉛電池の理論容量(重量エネルギー密度)は1.3kWh/kgであり、アルミニウム空気電池が実用化できれば、理論容量にして6倍の容量増を見込むことができる*2)。

*2) リチウム空気電池の理論容量はアルミニウム空気電池のさらに1.4倍と高い。研究開発が進んでいるものの、車載デモが実行できるようなユニットは製作されていない。リチウム空気電池では、充電が可能な蓄電池タイプに取り組む研究者も多い。

 Phinergyはアルミニウム空気電池と亜鉛空気電池の研究開発を進めている。同社の説明によれば、アルミニウムを利用した(空気電池ではない)電池は、アルミニウム金属負極と電解質、正極が必要であり、正極が電池重量の70%を占めている。アルミニウム空気電池は正極を空気と置き換えたため、軽量化できたという。これが金属空気電池の理論容量が高くなる一般的な理由だ。

 亜鉛空気電池と比較すると、アルミニウム空気電池には歴史がない。同社の説明によれば正極(空気極)を多孔質構造にして表面積を確保し、さらに酸素を還元する触媒作用を持たせないといけない。するとアルミニウムを使い切る以前に正極の寿命が来てしまう。二酸化炭素などが正極に悪影響を及ぼすためだ。同社は銀ベースの新触媒を開発することで、寿命を数千時間に延ばすことに成功したという。寿命が長いだけでなく、電気化学的な性能が高く、機械的な構造に柔軟性があり、リサイクルもしやすいという。

 今回のアルミニウム空気電池は、AlcoaとPhinergyが2014年2月に発表した協業の初の成果だ。両社はアルミニウム空気電池の材料の他、製造プロセスや製品化について協業している。


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