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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1029とはずがたり:2014/05/21(水) 00:57:11
こんな前史があったんですねぇ。。

中国地方の小水力エネルギー利用に観る
自然エネルギーに基づく地域づくりの思想
藤本穣彦・皆田潔・島谷幸宏
http://www.pref.shimane.lg.jp/chusankan/report_of_research/research/No8_kenkyuhoukoku.data/kenkyuhoukokudai8gou03.pdf

本論では,小水力発電に着目し,1950年代に,
中国地方で爆発的に普及した地域小水力発電の事例を取り上げ,導入促進要因を検討すると共に,現状の課
題を検討した。


 我が国では,地域の農業協同組合(以下,農協)が経営する,小規模な水力発電所の多くが,中国地方に存在している。秋山(1980)によれば,1955年3月末までに,全国に181施設建設された農協などが経営する小水力発電所のうち,約90施設が中国地方に建設されたという。
 今日に至るまでに,災害や老朽化,経営不振,あるいはダム立地による水没などを理由に休止・廃止されている施設もあり,1980年には74施設となり1),現在では54施設が,なお発電を続けている2)。現在稼働中の54施設は全て1,000kW未満で,最大で660kW,最小は24kWであり,平均は189.1kWである。54施設の設備容量の合計は10,209kWである。


1952年「農山漁村電気導入促進法」成立
 第二次世界大戦後,急速な工業化・産業化に伴う電力需要に対応するために,GHQの指導のもと,対日援助見
返り資金による融資によって,大規模な水源開発が行われた。
 並行して,農山漁村や離島における未点灯集落の解消を目的として,小規模の水力発電の開発も進む。1951年には,「農林漁業資金特別融通法」により長期融資の措置が講ぜられた。さらに1952年の,「農山漁村電気導
入促進法」(1952年12月29日,法律第358号,最終改正:2011年5月2日,法律第37号)が大きな意味を持っている。
 この法律は,松田鐵藏議員ほか62名による議員立法である。


 次に「農山漁村電気導入促進法」の内容について検討していこう。まず,第一条の目的は以下のように定められている。
 この法律は,電気が供給されていないか若しくは十分に供給されていない農山漁村又は発電水力が未開発のまま存する農山漁村につき電気の導入をして,当該農山漁村における農林漁業の生産力の増大と農産漁家の生活文化の向上を図ることを目的とする。

 さらに同法では,日本政策金融公庫による資金の貸し付け(第4条)や,国の補助(第5条)が明確に位置づけられたうえ,電気事業者との売電交渉について明記されていることに大きな意味がある(第9条)。また,発電事業主体については,「当該農山漁村にある農業,林業又は漁業を営む者が組織する営利を目的としない法人で政令で定めるもの」(第2条)とされており,農協や漁協,土地改良区や森林組合などの農林漁業団体が,地域エネルギー事業の主体として明確に位置づけられている。
 中国地方の小水力発電は,「農山漁村電気導入促進法」に基づいて推進されたものである。では,なぜ中国地方でのみ爆発的に普及したのか。

小水力発電を地域の力で
導入するためには,地域の合意形成に始まるトータルのプロセスをマネジメントする必要がある。
 中国地方での導入が進んだ背景には,それを行えた人物と企業の存在がある。中国地方の小水力発電を調べていくと,必ず行き当たる人物がいる。イームル工業株式会社の創業者,織田史郎(1895-1986)である。
 織田は,1895年広島県安芸郡海田町生まれ。19歳で広島呉電力に入社して以降,一貫して水力発電事業に携わる。織田は1946年に電力会社を辞し(取締役まで務める),「水力発電で農山村を活性化させる」という哲学で,1947年イームル商会(後,イームル工業)を創業する。
 当時のイームル工業は,織田が先頭に立ち,土木コンサル業務から低価格の発電機の製造までを手がけ,川見分けや発電計画の策定から水力発電システムの開発・施工までを一手に担ったという。織田を中心に,イームル工業では,土木,水力システム,電力システムのそれぞれを担う技術者が育成され、また,開発に係る全ての過程をマネジメント出来る人材が輩出されていった(現在は,土木の設計・施工は行っていないそうだ)。
 織田は,1953年,「中国小水力発電協会」(現在の事務局は,広島県農協中央会にある)を設立し,顧問となる。
中国小水力発電協会は,各農協のネットワーク組織となると共に,中国電力との売電価格の交渉窓口ともなった。中国電力の小水力発電に対する柔軟さは,織田の貢献によるところが大きいと言われている。


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