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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1018とはずがたり:2014/05/13(火) 18:53:10
>>1017-1018
 3つを合わせると800億kWhになり、一般家庭で2200万世帯分の電力に相当する。OEA-Jの予測は発電設備の規模と設置数を仮定して算出したもので、最も有望な海洋温度差発電は2050年までに50〜100MW級の設備が100カ所以上に拡大することを見込んでいる。

 発電効率を表す設備利用率(発電能力に対する年間の発電量)の点では、潮流が洋上風力と同等の30%、波力が海岸からの距離によって25〜40%に対して、海洋温度差は56%と最も高い。発電方式が地熱と同様の仕組みで、しかも海洋深層水を使って年間を通して安定して発電できることが効率の良さをもたらす。

適した海域が太平洋側に広がる

 海洋温度差発電を実施するためには、海面に近い表層水と海中にある深層水の温度差が20度以上になることが望ましい。その条件を満たす海域は日本の周辺では太平洋側に広く分布している(図5)。発電設備を陸上の海岸か、陸地に近い洋上に設置することを考えると、やはり沖縄や南九州の島が適している。

 潮流発電になると、日本の近くでは候補地が特定の海域に限られる。潮の流れが速い場所は陸地にはさまれた海峡に多い(図6)。特に本州と四国・九州に囲まれた瀬戸内海に十分な潮流エネルギーが存在するほか、九州西部の長崎県の半島や離島の周辺にも有望な海域が見られる。

 残る波力発電に関しては、日本近海のエネルギーの分布状況を解析したデータはなく、今後の調査が待たれるところだ。

100MW級で火力発電並みのコストに

 日本の将来の電力源として期待がかかる海洋エネルギーだが、普及に向けた最大の課題は発電コストにある。海外で先行事例がある潮流・波力発電の場合、発電コストのうち装置が占める割合は50%以下で、それよりも設置や運転・保守にかかるコストが大きい(図7)。洋上風力にも共通する課題だが、設備を海底に固定したり海面に浮かべたりすることによる。

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図7 潮流・波力発電のコストの内訳。出典:NEDO(Carbon Trustの資料をもとに作成)

 これに対して海洋温度差発電のコストは規模が大きくなるほど安くなっていく見通しだ。商用化を目前にした1MW級の発電設備では、1kWhの電力を作るコストは40〜60円前後と太陽光発電よりも高い。それが10MW級になると20円前後まで下がって、他の再生可能エネルギーと同等の水準になる。さらに100MW級まで規模が拡大すれば、火力発電並みの10円程度を実現できる(図8)。

2050年に再生可能エネルギーの先進国へ

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2011〜2015年度の5カ年計画で進めている海洋エネルギーの技術研究開発プロジェクトでは、発電コストが40円になるシステムを開発する予定になっている(図9)。それと並行して2020年度に20円まで引き下げるための要素技術を開発する。

 この開発プロジェクトの中には、久米島で実施中の海洋温度差発電や、呼子沖で予定している潮流+風力発電の実証試験も含まれている。2020年代に発電コストが20円台になって、固定価格買取制度の対象にも入れば、民間企業の参入が活発になっていく。

 2030年を越えた未来に再生可能エネルギーを大きく広げていくのは洋上風力であり、それに続く海洋エネルギーの活用も重要なテーマになる。2030年までは太陽光・陸上風力・中小水力・地熱・バイオマスの5種類を拡大しながら、その先の2050年に向けて洋上風力と海洋エネルギーの導入量を増やしていく。日本が再生可能エネルギーの先進国になるためのロードマップは見えてきた。


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