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乗合自動車(バス)総合スレ

2107OS5:2024/05/09(木) 16:09:52
 さらに深刻なのが「ドライバー不足」だという。愛媛県のタクシー運転手の平均年齢は65・1歳(24年3月現在)と全国平均(61・4歳)に比べて高い。木村社長は「コロナ禍の間に感染リスクを恐れて多くの高齢ドライバーが引退し、その後も戻ってきていない」と説明。新型コロナの感染症法上の分類が5類に移行した23年5月以降、客足は少しずつ回復しているが、ホテルのチェックアウトや病院などへの通院時間が重なる平日の午前や、週末の夜などのピーク時にはタクシーが足りず配車できないことが多いという。木村社長は「ドライバー不足で客のニーズに応えきれていない。『電話をしてもつかまらない』と顧客が不満を募らせ、タクシー離れが一層進む事態だけは避けなければならない」と苦悶(くもん)の表情を浮かべた。

 コロナ禍を機にタクシー運転手はどのくらい減ったのか。愛媛県ハイヤー・タクシー協会によると、コロナ禍前の19年3月末時点で県内に2938人いた運転手は、24年3月末時点で約2割減の2392人となった。全47都道府県の合計でも同じ時期の比較で、29万1516人から23万4653人と約2割減っていた。

 また、愛媛県内のタクシー業界の関係者は「需要が蒸発したコロナ禍の間に、コスト削減のためタクシーの台数を大幅に減らした会社も多く、『アフターコロナ』の需要増に対応できていない要因の一つだ」と語る。タクシーの増車や新規参入を規制する「改正タクシー特措法」で、県内の主要地域は基準となる車両数が設定され、減車すると基本的に元の台数に戻すことができないからだ。さらに別の関係者は「首都圏や関西圏などと違い、愛媛は家族経営の小さなタクシー会社が多く、後継者難とも相まってコロナを機に廃業した事業者も少なくない」と解説した。

 ◇女性ドライバー採用に活路

 愛媛のタクシー業界に未来はあるのだろうか――。取材を進めるうちに暗たんとした気分になったが、一筋の光明もあった。

 愛媛県内で65台のタクシーを稼働させている「伊予鉄タクシー」(同市)は、運転手不足に対応するため女性ドライバーの積極採用に動いている。運転手65人のうち女性は約3割の20人。20年4月に入社した最年少の熊谷悠希さん(29)は「週休3日制で、週40時間以上出勤すれば勤務時間は自由に選べ、『ワークライフバランス』が充実している」と話す。同県西予市にある実家が農業とカフェを営んでおり、収穫期などには手伝いに行くこともできるという。

 同社の芳野雅郎社長は「『隙間(すきま)時間』でも稼げるような勤務体系を整え、意欲のある人がたくさん集まるような会社にしたい。コロナ禍でお客様も従業員もライフスタイルが変わったので、それぞれのニーズに合った経営を模索していく」と語った。

 愛媛のタクシー業界が直面する課題の解決には何が必要なのか。名古屋大の加藤博和教授(交通政策)は「配車アプリ」の普及推進を提言する。加藤氏は「実車率が高まり乗降データも集められ、経営の効率化を図れる。客が呼んでくれるので土地勘のない新人ドライバーでも対応しやすく、キャッシュレスでの支払いは利便性も高い」と強調。一般ドライバーが有償で客を運ぶ「ライドシェア」の導入もタクシー不足解消に効果的だという。

 愛媛のタクシー事情が改善するかどうかは、経営者の「創意工夫」にかかっていると言えそうだ。


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